私なりの、『R-1ぐらんぷり』総括
あべこうじさんの優勝で幕を閉じましたね。
まさに『悲願の優勝』という感じで、
本当におめでとうございますと言いたいですね。
あべこうじさんは『正統派漫談』みたいに見られがちですが、
非常に独特の世界観を持っています。
ともすると、
『お客さんがついていけない』という危険性をはらんでいますが、
彼の場合は、
一つ一つのネタが持つ『温度』の判断能力に長けていると思いますね。
つまり、『このギャグが、どれくらいのウケ方をするのか』という事を、
非常に正確に把握してますね。
ちょっとエキセントリックなネタをフッたとしても、
このネタに対して、8割のお客さんが笑うのか、
5割程度なのか、2、3割しか笑わないのか、
自己診断がちゃんと出来てるんですね。
オチの後に、『…あれ?ちょっとついてこれない感じ?』みたいな
フォローの一言を入れたりしますが、
それは『2、3割しかウケない』という事を想定した上、
その後のフォローの言葉で
残りの7、8割を笑わそうというやり方ですね。
これが非常にうまいと思います。
今回見ていて思ったんですが、
『4分』という持ち時間に、ネタの途中で、
当人が辛くなってる芸人さんがいらっしゃいましたね。
テレビが、『ショートネタ』をどんどん放送するようになってから、
芸人さんの方の『見せる体力』が無くなってきてる気がします。
1分なら面白いんだけど、4分になるともたない、
これは最近のお笑い番組の弊害と言っても過言じゃない気がします。
それから個人的に気になったのが、審査員の方です。
お笑いというのは元々、『個人の好みの差』が大きいものです。
他人が大絶賛しているものを、
自分は少しも面白いと感じない事もあるでしょう。
単なるお客さんであれば、それでいいと思います。
審査員の方々も
出す点数にバラつきがあるのは仕方ない事だと思います。
しかし、常に1人だけ、
他の方々と12~15点差がある審査員というのは
いかがなものでしょうか?
ピン芸人たちが命をかけて臨んできている大会なのですから、
なるべく
『フラットな升で量ってあげる』くらいの努力はしても、
バチは当たらないと思います。
『俺はかなり人とは、笑いの基準が違う』と思ったら、
審査員を断るくらいの気遣いはあってもいいんじゃないでしょうか。
一生懸命に戦ってる芸人さんたちを見て、
そう思わずにはいられませんでした。
微笑亭さん太