ゴリ夢中
人間も動物も変わらないようでして、
名古屋市の東山動物園に
【シャバーニ】というイケメンゴリラがいて、
話題を集めてましてね。
映画スターのようなポーズを決めて、
カメラ目線の流し目をくれている写真が
ネットで広まった事から有名になったわけですが、
上野動物園には、このシャバーニの兄にあたる
【ハオコ】というニシローランドゴリラがいて、
こちらもイケメンだと有名なんですね。
この二匹がきっかけとなって、
イケメンゴリラを追いかける
【ゴリラ女子】なる言葉が生まれているそうですね。
街中を歩いていると、バナナを勧めたくなるような
ゴリラそっくりの女性を見かけたりしますが、
それは【ゴリラ女子】ではなくて【女子ゴリラ】ですよね。
ゴリラ女子は動物園のゲートが開くと、
一目散にゴリラの檻の前に行って、
エサの時にしか出てこないゴリラの登場を、
ひたすら待っているそうでしてね。
どうかするとビューポイントの争いから、
ケンカになったりしましてね。
「ちょっと!
ここは私がいつも、ゴリラを見るポイントなのよ!どいてよ!」
なんてんで、ゴリラ女子同士のケンカですから、
お互いのウンコを投げあったりするんでしょうね。
「ゴリラの血液型って、みんなB型なのよ。
だから私もB型なのよ」
「私だって【B型】よ」
よく聞いてみたら【肝炎】だったりしましてね。
そんなゴリラ女子が出てくるのも、
頷ける点はありまして、
ゴリラは性格的にもイケメンなんですね。
ゴリラの力が強い事は言うまでもありませんが、
圧倒的なパワーを誇るにもかかわらず、
温厚な性格で殺生を好まないんですね。
人間と握手したり触れ合う際も、
ちゃんと手加減してくれる紳士でして、
知能が高いイルカやシャチでも、
力加減を誤って人間を殺す事があるのに、
ゴリラにはそれがないそうですね。
これは惚れますよね。
同じ類人猿でも、チンパンジーやオランウータンは
結構残虐な行為をするわけでして、志村けんさんなんかは、
いつパン君に殺られちゃうか判らないわけですよ。
ゴリラが胸を叩く行為として有名な、
【ドラミング】というのがありますが、
このドラミングも、争いを避けるための行為だそうでしてね。
しかも敵ではなく、自分を叩くという
ハンパない優しさに溢れている行為なわけですね。
【死の概念】を理解している数少ない動物で、
仲間同士助け合い、仲間が死ぬと落ち込んだりして、
繊細で仲間思いなんですね。
ひょっとしたら仲間が死ぬと、
自分たちで【お葬式】もするかもしれませんね。
「ゴリ男の奴、まさかこんなに早く逝ってしまうとはな・・・」
「窒息死してしまうなんて、思いもよらなかったよ」
「今考えてみると、ゴリ男が死ぬ間際にやってたのは
【ドラミング】じゃなくて、エサのバナナが喉に詰まってたんだな・・・」
こんな会話を交わしているかもしれませんね。
微笑亭さん太