確認飛行物体
高いところから全体を見る事を【俯瞰】と言いますよね。
最近は動画サイトなどに、この俯瞰で撮られた動画が
次々とアップされているわけですが、
この撮影に大きな貢献をしているのが
【ドローン】と呼ばれる飛行体です。
本来は撮影が難しい湖や山の俯瞰映像を、
簡単に撮る事が出来るという優れものですが、
これからもそういった映像というのは、
ドンドン増えていくんでしょうね。
終いにはちょっと飽きられてきたりしましてね。
「何だ、またドローンを使っての俯瞰映像かよ。
もう見飽きたよ」
こういうのを【俯瞰症】と言ったりなんかしましてね。
少し前に、首相官邸の屋上で
危険物を搭載したドローンが見つかり、
政界に衝撃を与えたなんて事がありましたよね。
その後も、お祭りなどの撮影に使われていたドローンが
落下したなどの事件が相次いだわけですが、
これらの事件を受け政府は、飛行可能な範囲が5キロ以上と広いドローンの操作に、
国家資格である【無線技士】の取得を
義務づける方針を固めたようですね。
操縦者に一定水準の無線の知識や技術を求める事で
墜落事故を減らすと共に、
所有者の身元確認を容易にする狙いがあるわけですね。
しかし政治の世界というのは、
議員の定数是正などはちっとも進まないのに、
こういう事はフットワークが軽いんですよね。
飛行範囲の広い高価な機種は
中国などからの輸入品が多いそうでして、
一般に国内で市販されている一万~五万円前後の機種は、
飛行範囲が数キロしかないんですね。
このため、多くの機種は
免許の対象にはならない見通しなんですが、
農家の方なんかは困りますよね。
ドローンは農薬散布用にも使われてますから、
規制の範囲は、農家にとっては重要な問題ですよね。
「農薬散布用のドローンは規制対象に入るんですか!?
イエスか農家で答えてください!」
なんて声が聞こえてきそうですよね。
ドローンの性能が格段にアップして、
もっと広く一般的に使われるようになったら、
困る人も出てくるでしょうね。
「あなた、今日は残業だなんて行ってたけど、
本当はキャバクラに行ってたんでしょう?」
そう言ってニヤッと笑う奥さんの手には、
ドローンが握られてたりなんかしましてね。
あるいは、飲み会で先に帰る時には、
「申し訳ありませんが、私はこのへんで、
ドローンさせていただきます」
そんな昭和っぽい台詞を残して帰った後、
残った連中が自分の悪口を言ってないか、
ドローンを飛ばして調べたりなんて事も
出てくるかもしれませんね。
このドローン規制の動きを、
民間企業も見逃しませんでね。
綜合警備保障【アルソック】が、
ドローンが政府の重要施設などに侵入すると、
即座に警備員らに通報するサービスを始めたそうですね。
ドローンが発する回転翼の音を、
音響センサーで探知するんだそうですが、
通報があると即座に吉田沙保里選手が駆けつけて、
目からレーザービームを出して撃墜するんでしょうね。
微笑亭さん太