禁止の重症
子供が自由に遊び回る事のできる
聖域みたいな存在だったんですが、
そこが今【禁止事項】という魔物に
侵食されつつあるようですね。
喫煙や、危険物の持ち込みを禁止するのは当然ですが、
最近はそれに加え【写真撮影禁止】【ペット連れ禁止】
【自転車乗り入れ禁止】【ボール遊び禁止】と、
どんどん禁止事項が増殖してるんですね。
そのうち【土足禁止】とか
言われそうな勢いになってますよね。
中には
『サッカーをした場合、警察に通報します』
といった看板を設置している公園もあるんですね。
これはもう、立派な【脅し】ですよ。
子供が大人たちに『公園で遊ぶなんてもっての他だ!』と
怒られる日も、そう遠くない気がしますね。
「サッカーが出来ないんだったら、似た遊びをしよう!」
なんてんで、
【蹴鞠】が流行り出すのも時間の問題ですよ。
何故こんな事態になったのかといえば、
公園の管理者である地方自治体に
近隣の住民から苦情が寄せられた結果、
日本人というのは事なかれ主義が多いですから、
『問題になりそうな事は全て禁止しちゃえ~』てな感じで、
このような措置をする事になったんであろうと
推測できますよね。
昔の公園は、
子供たちが野球をしている光景というのが定番でしたが、
今は徐々に締め出される方向になってましてね。
都市公園の整備を目的とする日本公園緑地協会が、
【公園におけるキャッチボールとバット使用の制限状況】を調査したところ、
キャッチボールは【全面禁止】が52%、
【日時・場所により禁止】が8%、
バット使用は【全面禁止】が58%、
【日時・場所により禁止】が7%と、
禁止していない公園の方が少数になってるわけですね。
数年後には子供たちが
『野球しようぜ!』と公園に行って、
みんなで【野球盤】をするのが
定番の光景となっていくんでしょうね。
ボール遊びが禁じられているだけでなく、
遊具が次々に撤去されているという実態もありましてね。
遊具の経年劣化が激しくても、
新しい遊具を入れる事もなく、
ブランコと滑り台以外の遊具は
全国の公園から姿を消しつつあるそうですね。
子供が遊具で遊んでいてケガをすると、
役所に苦情を申し立てる親が増えている事も
大きな要因でしてね。
そのうち公園が、誰も寄り付かないような、
恐怖のスポットになってしまう可能性もありますよ。
「ママ~ここ入りたい」
「何言ってんの!
公園なんて恐ろしいところ、入っちゃいけません!」
「そうなの?・・・ママ、あれは何?」
「シーソーといって、
公園内で野球やサッカーをしている子を一人ずつ乗せて、
管理人のおじさんが反対側に勢いよく乗り、
公園の外まで飛ばして排除する道具よ」
「怖いね~」
「あれは滑り台といって、
禁止事項を破った人を縛って突き落として転がして、
始末する処刑道具よ。
そして、その隣の砂場に埋めて証拠隠滅をするの」
こんな時代には、
絶対なってほしくないですよね。
微笑亭さん太