受難タクシー
一杯やってから帰るなんて方もいらっしゃるでしょう。
帰りにはタクシーで帰宅なんて事も当然あります。
年末年始といったような、飲み会が集中する時期には
なかなかタクシーがつかまらなくて、
イライラするなんて事もあるでしょうね。
「ちっともタクシー通らないな・・・あ、来た!
タクシ~!タクシ~!」
タクシーに向かって思いっきり手を振ったら、
運転手も満面の笑みで、
手を振り返して去っていったという話がありましてね・・・
ここまで【爽やかな乗車拒否】というのも珍しいですよね。
あるいは、お婆ちゃんが
タクシーを止めようと手を上げたら、
向こうから来た外人さんが、お婆ちゃんにハイタッチして
去っていったなんて話もありますね。
タクシーの運転手さんというのも、
なかなか大変な商売でして、
お客から暴行を受ける被害というのが多々あったりします。
有名人がタクシー絡みで事件を起こして
逮捕されたなんて事件もありますが、
一般客とのトラブルは日常茶飯事のようですね。
お客が酒に酔って暴れるというケースがほとんどなので、
年末年始は要注意という事になりますよね。
具体的には、目的地に着いたので、
酔っ払って寝ていたお客を起こしたら
『遠回りしただろ!』と凄まれたなんてケースがあります。
そういう泥酔したお客は、タクシーの後ろに
台車的な物を付けて、オリに入れて運んだらどうですかね。
「どうしてオリに入れて運ぶんですか?」
「危険なんですよ、【トラ】ですからね」
他にも、存在しない番地を言い張って、
目的地に辿り着けないと、
【防犯仕切り板】を蹴ったり曲げたりして、
破壊するお客もいるようですね。
それは命の危険すら感じさせるような事ですから、
タクシー会社の方も、車を改造した方がいいですね。
後部座席のシートは、飛行機の脱出装置みたくして、
そのスイッチを防犯仕切り板に設置するわけです。
トラブったお客が激怒して板を蹴った途端、
タクシーの屋根が開いて、お客は上空へ放り出されるという、
これなら運転手さんも安心なんじゃないですかね。
飲んだ後だけではなく、普段昼間でも、
タクシーを利用する人はもちろんいます。
重い荷物を持っている時なんかは、
タクシーを利用すると便利ですよね。
大きな荷物を持った、
腰の曲がったお婆ちゃんがタクシーを止めて、
「運転手さん、この車は、荷物の代金というのは別に取るのかい?」
「いえ、取りませんよ。荷物はタダですから」
「あ、そう。じゃあこの荷物を、
三丁目の石橋さんのお宅まで届けてね」と言って、
荷物を置いて帰っちゃったって話がありましてね・・・
これはこれで、運転手さんも困りますよね。
微笑亭さん太