リスクは元から絶つ
唾液から将来かかる病気のリスクを調べる
遺伝子検査サービスを始めたそうですね。
これは、申し込むと検査キットが送られてきて、
唾液を採取して返送するんですね。
すると遺伝子情報を読み取って、
将来どんな病気にかかりやすいかを
教えてくれるわけですね。
読み取るのはSNPと呼ばれる遺伝子の
ちょっとした違いでして、このSNPが、
人間の【個性】というものを作り出しているんですね。
【病気のかかりやすさ】というのも、
個性の一つのわけでして、この検査を受ければ
【○○がんにかかる可能性が二倍高い】
なんて事が判るわけです。
遺伝子検査は
親子鑑定などの際にも用いられたりしますが、
事態を穏便に収めるために、
事前に書くアンケート調査用紙の項目を、
めちゃめちゃ多くしておくのがいいんじゃないですかね。
書いてるうちに
『こんな事までして親子関係を調べてどうするんだ・・・
大切なのは血の繋がりよりも、
一緒に暮らしてきた絆だ』と気付いて検査を止めるという、
ちょっといい話になる事請け合いなんじゃないでしょうかね?
昨年、米国の女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが
遺伝子検査を受けて、予防のために
乳房を切除したなんて事がありました。
ところがその米国では、
検査の正確性に疑問が出てましてね。
誤った乳がんリスク判定で
不要な手術を受ける可能性があるという事で、
米国政府は業界大手の会社に対して、
検査事業の停止を警告してるんですね。
リスクもないのに体の一部を切るというのは、
シャレになりませんよ。
このままだと、
「脳梗塞、脳腫瘍のリスクがありますから、
頭を切り落としましょう」
なんてな事言われたら困りますよね。
こういった遺伝子検査が、
生活習慣病の改善になるかどうかは、
何とも言えないようですね。
というのも、いくらリスクを説明して、
病気になる確率が高いと判っても、
その人が予防のための行動を取るとは限らないですからね。
これはやはり専門家の方で、
危険因子を片っ端から排除していく方が
いいのかもしれませんね。
「あなたは糖尿病になるリスクが高いですから、
お米、パン、麺類などの糖質類は
一切食べないでください」
「一切ダメなんですか?それは辛い」
「肝硬変になるリスクも高いですから、
お酒も一滴も飲まないようにしてください。
それから肺ガンになるリスクも高いので
タバコは吸わないでくださいね」
「は、はい・・・」
「薬物中毒になるリスクも高いので、
薬の類も一切使わないでください。
風邪を引いても風邪薬なんか絶対飲んじゃいけません」
「それじゃあ、治らないじゃないですか」
「事故を起こすリスクも高いので、
運転免許は返納してください」
「免許、返すんですか!?」
「あと、浮気をして
刃傷沙汰になるリスクが非常に高いですから、
奥さんと離婚しておいてください」
ここまでリスクを避ければ、
平穏な人生が送れるんじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太