朝三暮四
『口先でうまく人をだます』という意味に使われる
『朝三暮四』の意味を聞かれた鳩山総理が、
『命令や方針が、たえず改められてあてにならない』という
『朝令暮改』の意味を答えてしまったなんて事がありましたが、
私は昔から、この『朝三暮四』という故事成語が、
とても気になっていました。
この『朝三暮四』は、
猿にトチの実を『朝に3つ、暮れに4つ与える』と言ったら、
猿が少ないと怒ったため、
『じゃあ朝に4つ、暮れに3つやる』と言ったら喜んだという
中国の故事から来てる言葉です。
『どちらも合計7つなのに、猿、騙されてやんの』という事ですが、
朝夕のトチの実の数を入れ替えただけでごまかされてしまう連中が、
人間に食生活の不満を訴えるほど、知的水準が高いとは思えないんですよね~。
初めて国語辞典でこの言葉を知った小学生の頃から、
そんな事が、ずっと気になってました。
故事成語やことわざというのは、
『そうかな~?』みたいなツッコミを入れたくなる言葉が、
多々あったりします。
『本質的には同じだ』という意味の『五十歩百歩』というのも、
50歩と100歩は、明らかに違いますよね?
戦場で50歩逃げようが、100歩逃げようが、
逃げた事には変わりないと言いますが、
じゃあ、50m走って、
100m走のタイムとして記録しても同じなのかって話ですよね?
……あれ?違いますか?
『四捨五入』なんて言葉も、
『4』を切り捨てる勇気は、私にはありませんし、
『5』を繰り上げる決断力も、私は持ってません。
『4、5、6あたりを処理する言葉は、何かないんですか?』と
文部科学省に聞きたくなります。
他にも、
宴会芸で人間ポンプをやろうとして
小さなカエルを飲み込んだまま出てこなくなってしまった状態を指す
『胃の中の蛙』ですとか、
一度警察に捕まっても、
『また路上や墓地でヌード写真を撮るんじゃないの?』と疑われてしまう、
『紀信暗鬼』だとか、
1ヶ月にお小遣いが『1000円』しかもらえないお父さんを指す、
『3個の0』とか、
実に様々なことわざがありますよね(そんな言葉、ね~よ!)
微笑亭さん太