病単位で動いてます
昔は【痴呆症】と言っていたわけですが、
それを【認知症】と言い換えて
定着した感があります。
言葉を言い換える事によって、
随分と言葉の持つ響きや印象が
変わるという事がありますよね。
このほど日本精神神経学会が、
精神疾患の病名の新しい指針を公表しましてね。
昨年、米国の精神医学界が決めた、
精神疾患の新たな診断基準が策定されたのに伴って、
英語の病名の翻訳で混乱しないよう統一用語を検討し、
差別意識や不快感を生まないように、
病名を周知させるのが狙いだそうですね。
例えば、読み書きが困難な子を指す【学習障害】は
【学習症】に言い換えるそうですね。
【障害】という言葉を避けたわけですが、
ただ【学習症】というと逆に、
寝る間も惜しんで勉強したくてしたくて仕方ない、
勉強中毒みたいな感じにも聞こえますよね。
そして学習症の中でも、
特定のメーカーのノートしか使わない子の事を
【ジャポニカ学習症】と言うそうですね。
お酒が止められない【アルコール依存症】は
【アルコール使用障害】となるそうですが、
これはなかなかいいんじゃないでしょうか。
というのも、【依存症】って言われると
『俺は依存症なんかじゃねえ!』と
意固地になりそうですが
【使用障害】と言われると、
『そうなんだよ・・・最近、ちょっと酒を、
うまくコントロールできてないんだよ』てな具合に、
素直に病気と向き合ってもらえる可能性が
高くなりますよね。
他にも
不安感や動悸などが起きる【パニック障害】は
【パニック症】に、
身体と意識上の性が一致しない
【性同一性障害】は【性別違和】、
対人関係がうまく築けない
【アスペルガー症候群】や【自閉症】は
【自閉スペクトラム症】に統一されるそうです。
一般的な病気も、
全て言い換えられるかもしれませんね。
【風邪】は【利口の証明】とかね・・・
【バカは風邪引かない】とか言いますからね。
【水虫】は【末端ペット】、
【外反母趾】は【やんちゃな親指】とか言い換えれば、
ちょっと楽しい雰囲気になりますよね。
病気ではなくても、
悪口になるような言葉も言い換えた方がいいですよね。
【チビ】は【地球近距離族】とか
【ハゲ】は【残りし精鋭たち】、
【デブ】は【便座クラッシャー】とか言えば、
何だか特殊能力者みたいでカッコイイですよね。
その病院独自の
言い換えなんてのも出てきましてね。
「ウチの病院は、病名を全て
【有名人の名前】に言い換えてますからね。
あなたは【スギちゃん】ですね」
「スギちゃん?
スギちゃんって何ですか?」
「【花粉症】ですよ。
さらに喉には【ドリフターズ】があります」
「ドリフターズ?」
「【ポリープ】があるんですよ。
♪ポ、ポ、ポリープの大爆笑~」
「それは強引ですね」
「しかも血糖値が高いので【島倉千代子】です。
・・・【糖尿だよ、おっ母さん】」
「糖尿病もですか!?」
「そして下半身の方も
【スティーブン・スピルバーグ】ですね」
「スピルバーグ?」
「【ED】です」
「それ【ET】でしょう!」
何となく深刻さが薄れて
いいんじゃないかと思いますね。
微笑亭さん太