夜目、透明、笠の内
ふいにお腹が痛くなったりした時、
公衆トイレというのは、
実にありがたい存在ですよね。
最近は【センサートイレ】というのがあって、
普段は消灯されてるんですが、
人が中に入ってくると、それをセンサーが感知して、
自動的に明かりがつくというトイレですね。
省エネにも役立ちますし、
いちいち明かりを消す必要もなくて便利なんですが、
一人で個室で用を足していると、
誰もいないと判断されて、
突然真っ暗になってしまう事があります。
ああいう時というのは、
自分が人として認知されていないのかと思って、
便器に座りながら落ち込んでしまったりする方も、
いらっしゃるんじゃないでしょうかね。
あったら怖い物として
【透明なバキュームカー】なんて事を言ったりしますが、
大分県中心部の商店街が
【ガラス張りの公衆トイレ】というのを設置して
話題になってましてね。
このトイレ、通常時は中が丸見えなんですが、
人が入るとセンサーが働いてガラスが曇り、
中が見えなくなるんですね。
商店街に人を呼び込むための
話題作りとして設置されたんですが、
女性が中にいる時に、
透明に戻ってしまうトラブルが
起きてしまったようですね。
というのもこのトイレ、
センサーが35秒間、人の動きを感知しないと
【無人】と判断して、
ガラスが元に戻る設定になってるもんですから、
気分の悪くなった女性が動けずにいたところ、
容赦なくスケスケになってしまったわけですね。
35秒の設定は、中で人が倒れても
早く発見できるようにという事なんですけど、
利用者にとっては、結構ドキドキなトイレですよね。
ただトイレに入ってただけで、
【公然わいせつ罪】で逮捕される
危険性があるわけですからね。
普段透明になっている理由というのは、
のぞきや盗撮犯の待ち伏せ防止というのがあるんですが、
逆に露出狂の人には利用されそうですよね。
トイレに入って素っ裸になりジッとしてれば、
合法的に趣味を満たせる事になりますからね。
そのうち、この商店街の回りには、
ロングコートを羽織った怪しげなおじさんばかりが、
ウロウロするようになるかもしれませんね。
そのうち、透明度が進化したトイレが
登場するかもしれませんね。
「どうですか、この透明トイレは?」
「どうですかって・・・
トイレどころか、何も建物なんかないじゃないですか」
「ええ、愚かな者には見えないトイレなんです」
まさに【裸の王様】ですね。
この壁が透明になるシステムが、
一般の建物にも導入されたら大変ですよね。
外出先から戻ったら、アパートの部屋の壁が
透明になってましてね。
「ちょっと大家さん、
これは一体、どういう事なんですか!?」
「ウチのアパートはね、家賃を滞納すると即、
壁が透明になっちゃうんですよ」
これは怖くて、
家賃はキッチリ払わざるをえないですね。
微笑亭さん太