置くのか置かないのか
私は日本語が好きです。
日本語には素敵な言葉が沢山ありますし、
その言語を母国語と出来る事を
とても嬉しく思っています。
ほとんどの言葉が好きなんですが、
中で唯一、苦手とも言える言い回しがあります。
それが、
【気のおけない】という言葉ですね。
【 気のおけない人】という感じで使うわけですが、
意味は【親しい人】という事になります。
本来【気をおく】には
【気づかう】という意味があるので、
【気がおけない】は【気づかう必要がない】、
【遠慮のいらない】という意味になるわけです。
しかし、かなり親密さを示すこの言葉が
何度聞いても、そういう響きに聞こえないのです。
【おけない】という否定形が、肯定的な意味を表すとは
どうしても思えないという、
本能的な部分での拒否反応があるんでしょうね。
実際、【気のおけない人の意味は?】と聞かれて、
【油断してはいけない人】と解釈する人は多いようですね。
誰が作った言葉か判りませんが、
なぜこんな言い回しにしてしまったんでしょうかね。
自分が原稿を書いていたり、
あるいは日常会話などにおいても、
『ここは【気のおけない】という言葉を
使う場面だな~』と思っても、
使う事に抵抗があって使えません。
どうも間違った言葉のチョイスをしてしまうような
錯覚に陥ってしまうんですよね。
やはり個人的に【気のおけない】は、
【親しくない人】という意味にしてほしかったですね。
まあ私ひとりが主張したって、
何も変わりませんけどね(笑)
微笑亭さん太