一年ぶりの門前寄席
門前寄席に出演してきました。
この門前寄席は、以前は毎月22日に
門前のお店の持ち回りで行われていたんですが、
諸事情から回数が減っていき、
ここ2、3年は、毎年11月の
伊勢屋さんの会のみでの開催となっていました。
お食事付きで2500円という会にもかかわらず、
この日は65名の予約が入っていて、
会場となった大広間も結構な入りとなりました。
この門前寄席の席亭を務めてらっしゃるのが
【もりたやさん】という酒屋さんのご主人で、
毎回、お囃子の係をやってくださいます。
そして、私が高座に上がる時は、なぜか出囃子が出ないという
【お約束】をやってくださる、お茶目な席亭です。
昨日も心配だったので、
「もりたやさん、またお囃子が出ないといけないので、
お囃子の練習しておきましょうか」
「今日は大丈夫だよ」
そう言ってCDのスイッチを押すと、ちゃんと曲が流れました。
「ほら、ちゃんと出たでしょう?」
ドヤ顔で私を見る、もりたやさん。
「ああ、今日は大丈夫みたいですね……」
私がそう言った途端、CDラジカセから、
「え~一席お付き合いのほどを願っておきますが。
小児は白き糸の如しなんてえ事を申しまして……」
……えっ?えっ?何、これ???
「も、もりたやさん、これは何なんですか!?」
「あ、これね、雑誌の付録に付いてたCDでね、お囃子の後、
『寿限無』か何か、落語が流れるんだよね…これじゃマズいかね?」
マズいに決まってます(笑)
結局、私の持っていた音源を使って事なきを得ました。
喜苦君との2人会だったんですが、
最初に喜苦君が上がり、『短命』で20分ほどで下りてきました。
2人で1時間程度という会なので、
少し長めに演らないといけないな~と思いながら、高座に上がりました。
マクラを結構喋って、そろそろ本題に入ろうとしていた時、
会場に入ってきた喜苦君が、一番後ろから、
軽く握った拳を左右に広げて、必死で餅をのばすような仕草をしています。
『…えっ?それって、引っ張れって事?』
どうも落語の後にある、お食事の準備がまだ整ってなかったようで、
それまで落語をつないでほしいという事だったようです。
仕方がないので、すぐ出てきそうなマクラネタを頭の中で検索して、
何とか本題に入らずに、10分ほどは伸ばしました。
お客さんもよく聞いて笑ってくれていたので、
無事に延長する事ができました。
先日行われた【B-1グランプリ】のようにはいきませんが、
それなりに結構盛り上がった豊川の夜でした。
微笑亭さん太