Mの戦慄
老人会の集まりで1時間ほど喋ってきました。
前日は月例寄席で、12時過ぎまで豊橋にいましたので、
それから一旦、豊田に帰るのも面倒だったので、
そのまま車中泊して朝イチの高座に向かいました。
この会には2年連続で呼んでいただいてるんですが、
いつもオファーの電話を下さる、会長のMさんという方が
なかなかのキャラなんですね。
昨年電話をいただいた時も、
私の携帯電話の番号だと判ってるにもかかわらず、
「鶴橋減滅渡さんはおるかね?」という
意味不明な一撃をかまされました。
「いや、私はさん太ですので」
「うん、さん太さんの携帯でしょう?」
「ええ、ですから減滅渡さんに用があるなら、
減滅渡さんの携帯にかけられた方が…番号はご存知なんですよね?」
「うん、知っとるよ」
「じゃあ何で、私の携帯にかけられたんでしょうか?」
「いや、そこにおるかな~と思って」
…もはや、会話として成り立っているかすらも怪しいやり取りをした覚えがあります。
今回もそのMさん、楽屋にいた私のところに来て、
「出る時に、音楽をかけるんじゃないの?CDとか持っとるだかん?」
「ああ、出囃子ですか。かけていただけますか?
すみませんね…じゃあ、このCDをお願いします」
「かける機械が無いじゃんね、ほい」
……じゃあ何で聞いたんですか?
結局、どこかからCDラジカセを都合してこられて
出囃子をかけていただく事になりました。
「使い方がよう判らんで、教えとくれん」
そう言われたので、私が何度も教えて、いざ本番へ。
ちゃんと音も出て高座に上がったんですが、私が喋り始めても、
何故かMさんは、ラジカセをガチャガチャとイジっておられました。
「え~一席お付き合いをお願い致します」
「ガチャガチャガチャ……ザァ~!」
「最近は、事件や事故も多いですよね」
「ガチャガチャガチャ……ザァ~!ザァ~!ピ~!」
「消費税も上がるなんて話もありますしね」
「ガチャガチャガチャ……ザァ~!ザァ~!!ピ~!!!」
「……すみません、ラジカセのコード抜いてもらっていいですか?」
高座に上がってからの度重なるノイズに耐え切れなくなり、
思わず電源オフのお願いをしてしまいました(笑)
あれは何をやっていたのか、いまだに判らずじまいです。
なかなか素晴らしいキャラのMさん、
来年もまた呼んでくださいね。
微笑亭さん太