情報様とお呼び!
はぐれてしまった男の子を保護した店員さんが、
「ボク、お名前は何て言うのかな?」と聞くと
「…個人情報だから教えられません」
泣きじゃくりながら答えられたという話がありましてね。
今は本当に、個人情報に関して厳しい世の中になりましたよね。
そんな中、国民一人一人に番号を割り振って、
所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を
ひとつの番号で管理する共通番号
『マイナンバー制度』の関連法が、
可決・成立しましたよね。
平成28年1月から、番号の利用がスタートするそうでして、
これにより、マイナンバーで年金、医療、介護、税務などの
情報を結びつける事が可能になるんですね。
この結果、行政コストが削減できるほか、
個人の所得状況や社会保障の受給実態を正確に把握しやすくなりますし、
『税逃れ』の防止にも役立つそうですね。
便利な反面、個人情報の漏洩や、
番号の不正取得による悪用への懸念が出てきますから、
そういう事に関わった職員への罰則の強化が必要になってきますよね。
この制度が進化していくと、将来ひょっとしたら、
個人情報が誰でも閲覧できるような世の中になったら怖いですよね。
ラーメンの出前を頼もうとして、
「あ、もしもし。すみません、出前をお願いしたいんですけど」
「はい、では【マイナンバー】を教えていただけますか?」
「え~っと、12345678ですけど」
「…あ、高山義男さんでいらっしゃいますね。お宅は西町4丁目25番地、
携帯の電話番号は090-3333-7777ですね」
「えっ、何で知ってるんですか!?」
「店の電話回線が、国のデータベースに繋がってますので」
「そうなんだ…じゃあ、とんこつラーメンと餃子をお願いします」
「申し訳ありませんが、それは無理です」
「どうして?」
「データによると、あなたには不整脈と高血圧がありますから、
高カロリーの物はご提供できかねます」
「え~っ…じゃあ、何だったらいいんですか?」
「冷やし中華あたりならよろしいかと。
一昨日、仕事の外回りの最中に、ハンカチで汗を拭きながら
『冷やし中華食べたいな~』と呟かれましたよね?」
「何でそんな事まで知ってるの!?」
なんてんで、他人がそこまで自分の事を知っていたら、気持ちが悪いですよね。
微笑亭さん太