ハンドメイド、最強
本当の意味での復興は、まだまだという印象がありますよね。
大手コンビニエンスストアが大震災以降、
店内で手作りする『おにぎり』の販売を、
全国の店舗で拡大しているそうですね。
津波の被害が大きかった岩手県宮古市の
沿岸近くの『ローソン』では、たまたま震災の一ヶ月前から、
店内の調理室で握ったおにぎりの販売を始めていたため、
30キロくらいのお米が備蓄されていたんですね。
それで停電が復旧した3日後には、
手作りおにぎりの販売が再開できたそうでして、
具が入ってない海苔で巻いただけの塩むすびが、
一個100円で飛ぶように売れたそうです。
地域の人たちに役に立っている事を実感できたというこの経験を踏まえ、
現在は手作りおにぎりを全国の440店舗で販売していて、
来年までに1200店に増やす計画だそうですね。
工場で作られたおにぎりよりも割高なんですが、ニーズは多く、
やはり『手作りの良さ』というものはあるんでしょうね。
手作りの良さが再認識されたという事なら、
色んなジャンルで取り入れるべきですよね。
お医者さんなんかに行きましてもね、
「先生、先生の額に付いてる反射鏡は、缶詰のフタそっくりですね」
「ハッハッハッ・・・当たり前ですよ、缶詰のフタなんですから」
「え~っ!?本当にそうなんですか?」
「私の手作りですからね。ちなみにこの聴診器は、イヤホンの先に、
お守りをぶら下げるためなんかの吸盤を付けたものです」
「手作り感、ハンパじゃないですね」
「じゃあ今から点滴をしますからね。これを打てば元気が出ますよ。
何しろこれは、『オロナミンC』と『メガシャキ』を、
私が適当に配合したものですから」
これはちょっと困る感じですかね。
車なんかでも、手作りの普通乗用車が売られてましてね。
「すみません、この車のタイヤ、何でミッキーマウスの絵が付いてるんですか?」
「ああ、そのタイヤは『浮き輪』ですからね」
「浮き輪なんですか!?リアル浮き輪ですか?耐久性は大丈夫ですか?」
「耐久性を心配するのならボディの方ですね。
材質はダンボールですから、雨の日は乗らないでくださいね。
フニャフニャになってしまいますから」
「不便ですね~。このフロントガラスは、何で柔らかいんですか?」
「ああ、それはガラスじゃなくてビニールです。
ガラス代わりに、全てビニールが使われてますからね。
この車に乗ってると、温室栽培の作物の気持ちが手に取るように判りますよ」
「別に判りたくないですよ…あ、でも一応、カーナビが付いてるんですね」
「ええ、一枚一枚手でめくる、紙芝居方式ですけどね」
なんてんで、かなり面倒臭い物が出来上がっちゃうでしょうね。
微笑亭さん太