点で話になる
『社会へ出てから、学んだ事が具体的にどう役立ちましたか?』と問われると、
黙ったまんま2時間考え込んじゃうんじゃないでしょうかね。
他社との商談の場で、因数分解が役立つ事もないでしょうし、
恋人との恋の駆け引きに『ボイル・シャルルの法則』が役立つ事は、
まずありえないでしょう。
歴史のテストの点数が悪かった生徒が先生に、
「先生、歴史って、何かの役に立つんですか?」
「当たり前だ。お前な、過去の出来事を学ぶのは大事な事だぞ。ちゃんと勉強しろ」
「でも、今まで勉強しても、ちっとも点数はよくならないし」
「バカ!過去に縛られるんじゃない!」
先生自身が完全に矛盾した事を言ってたんでは、
なかなか生徒の成績も上がらないでしょうね。
生徒に対して点数を付けるのは先生の役目なわけですが、
2013年度、生徒に対して授業のアンケートを取って、
先生の人事評価につなげる仕組みが、
大阪府内の公立の小中高校で始まるそうですね。
これは全国初の試みなんですが、早い話、
『生徒が先生の授業に点数をつける』という事になるわけですね。
これ、先生にとっては困ったシステムじゃないかと思うんですが、
子供たちの声を授業に生かそうと、
前向きに考える先生は意外に多いようですね。
しかし、この結果が給与に響くとなると、
先生の人気投票になるのではないかという、危惧の声も出ているようです。
先生も人間ですから、生徒のウケを考えて厳しい事を言わなくなったり、
テスト問題なんかも凄く簡単になっちゃったりしましてね。
テスト用紙を見たら『自分の名前をフルネームで書きなさい』
なんてのが問題だったりしましてね…
しかも下の名前を間違える生徒がいたりなんかすると、
授業やテストの質の低下なんて事にも結びつきかねませんからね。
本来ならば点数を付ける立場の人間が、
逆に点数を付けられるような逆転現象というのは、
他の分野でも起こる可能性がありますよ。
お店に対して評価をする立場のお客さんが、
お店の人に、『お客さんとしての評価』をされるようになったりとかね。
食事が済んでお店を出ようとすると、おもむろにお店のスタッフが
「…18点!」
「…はあ?…何ですか、18点って?」
「あなたの、お客さんとしての点数ですよ」
「えっ、そんなに低いんですか?」
「当たり前じゃないですか。まず食べる時の笑顔が少ない。
美味しい物を食べてるんだぞ~という、内なる感動を顔全体で表現しないと。
ただ仏頂面で黙々と食べてるなんて、
シェフに対する感謝の気持ちが全く感じられない。
それから、口の中の物を食べ終わらないうちに、
次の物を口に入れるとかありえないから。
それに、いい年してニンジン残すってどうよ?
お皿の上でひとりぼっちになったニンジンさんが、心細さのあまり泣いてますよ」
なんてんで評価されれば、
『私も、お店にとって良いお客さんになろう』というので、
お客としてのスキルアップも図れるんじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太