なかなかの縁起派です
お茶を飲もうとして湯飲みの中を見た時に茶柱が立っていたら、
これは誰でも気分がいいですよね。
なぜ茶柱が立つと縁起がいいと言われるようになったのかと言うと、
茎の部分が湯飲みに入る事自体が珍しい上、
『柱が立つ』という事で、柱=家の中心を成す物、
それが立つのは吉兆だと言われるようになったようですね。
今は急須や茶漉しが発達したため、
茶柱自体が滅多に見られなくなってしまっただけに、余計貴重ですよ。
そんな中、カプセルから湯飲みに移してお湯を注ぐと、
茶柱が立つという粉茶があるそうですね。
『茶柱縁起茶』というこのお茶、機械で粉茶に上新粉を練りこみ、
麺状に押し出してから切ったという、
人工的に再現した茶柱を使ってるんですね。
水分を含みにくい加工をしてあるため湯面に立つそうで、
『ラッキー』もお金で買える時代になってきたわけですね。
ただ必ず立つと判っている物が立ったからといって、
嬉しいのかどうか微妙ですよね。
縁起担ぎや迷信の類というのは沢山あるわけですが、
『食べてすぐ寝ると牛になる』なんてのは超有名ですよね。
これは、そういう事をするとマナー上みっともないですから、
止めさせるようにするために作った迷信だという説がありますね。
最初から牛の場合はいいわけですから、
出荷寸前のホルスタイン体型のお母さんは、
放っておいても平気という事になりますね。
ちなみに食べてすぐに横になるのは、
食べ物の消化にもいいため身体には優しいそうですから、迷信とは真逆ですよね。
『墓場で転んだ時、靴を片方置いてこないと、あの世に連れていかれる』
なんてのもありましてね。
墓地で転ぶなんてのは、もうそれだけでいかにも縁起が悪く、
死者に連れて行かれてしまうと考えられてきたんですね。
実際過去には、家族でお墓参りに来ていて、お父さんが転んだために、
その後事故で亡くなってしまったなんて話もありましてね。
それ以来、残されたお母さんと子供の事を
『墓地家庭』と呼んだらしいですけどね。
極力転ばないように注意はするんですが、
どんなに注意しても転んでしまう事もあります。
その際の対抗策として、自分の『身代わり』に
靴を置いてくるという考えが生まれたようですね。
てるてる坊主と言えば、晴れを願って吊るすものですが、
『てるてる坊主を逆さに吊るすと雨が降る』と言われてます。
晴れを招くてるてる坊主を逆に吊るす事によって、
晴れにするのとは逆の意味、つまり雨になると考えられたわけですね。
ですから、大事なイベントの前日なんかには、
仲間うちにいる『雨男』と呼ばれる人を軒下から逆さに吊るしておけば、
晴れになるという事でしょうね。
『落ちている櫛を拾ってはいけない』という言い伝えもあります。
これは『櫛』が『苦死』を表し縁起が悪いからという、
語呂合わせから発生したようですね。
「だからね、縁起が悪いから拾っちゃいけないんだよ」
「お客さん、そんな事言って、食べた焼き鳥の本数をごまかさないでくださいよ」
焼き鳥屋さんで勘定する時だけは、
足元に落ちてる『串』は拾っておかないと怒られますけどね。
微笑亭さん太