愛の逃避行
どの映画でも男女が楽しそうに歌い踊りまくっているという、
華やかで楽しいイメージがあったりしますが、
実はとても厳しいカースト制が敷かれている国で、
結構ハードな面があったりするんですね。
その最たるものが
『名誉殺人』が認められているという事なんですね。
名誉殺人というのは、家族や部族が名誉を守るために、
親が決めた相手との結婚を拒むなどした若者を、
『名誉を汚した不届き物』として殺害しても構わないという、
実に恐ろしい風習なんですね。
カースト間の差別意識が強いインドやパキスタン、
中東などで頻繁に行われてるそうでして、
早い話が『合法的な殺人』ですよね。
身分や親の都合を元に考えられた『許嫁』が多いでしょうから、
『顔面福笑い』みたいな女性をあてがわれる事もあるんでしょうね。
その女性を徹底的に拒否して殺されてしまった場合、
殺された方も可哀相ですが、相手の女性も
『…何、死ぬよりも、私と結婚する方が嫌なわけ?』なんてんで、
心の傷もハンパなさそうな感じですよね。
昨年、バスの中で女子大生が
集団暴行され死亡するという悲惨な事件が起こって以来、
インドで『女性蔑視』を見直そうという動きが
活発化してきているようですね。
同時に、自由恋愛を求める男女を
支援するグループなんてのが出来てきてるそうです。
このグループ『ラブ・コマンドー』といって、
全国に散らばる弁護士やジャーナリストなどのボランティア隊員が、
愛を貫くカップルのために、24時間サポートを行ってるそうですね。
シェルターに避難させたカップルを
国外へ逃がす事もあるそうですから、国際的な駆落ちですよね。
自分の決めた許嫁と結婚させるため、
鬼のような形相で追いかけてくる親たちを追い払うために、
唐辛子スプレーを使わせる事もあるようでして、
カップルにとっては『初めての共同作業』になるわけですね。
日本でも江戸時代なんかは、武家の婚礼なんかでは、
初めてあった者同士が祝言をあげるなんて事もあったわけですが、
現代においては自由恋愛どころか、
『自由すぎる恋愛』という感じで、自由のありがたみが薄れてます。
ですから結婚相手は、くじ引きで無理矢理決めてしまうような
世の中にしてみるといいんじゃないでしょうかね。
「うわあ~、くじ引きで俺、結婚相手が
近所の独身のおばさんに当たっちゃったよ。
最近さ、おばさんが俺の事を、完全に男を見る目つきで見てくるんだよ~」
「お前なんかまだいいよ。
俺なんか、未亡人であるウチのお婆ちゃんが当たっちゃったんだぜ。
さっきも『お爺さんが死んでから、こんなに胸の熱くなる事は初めてじゃ…
嬉しくて嬉しくて、もう紙おむつが一枚じゃ足りない』
なんてチビりまくってるんだよ。勘弁してくれ~!」
なんてんで、こんな状態が暫く続けば、
自由の本当のありがたみというのが判るようになっていいんじゃないですかね。
微笑亭さん太