名は他意をあらわす
昨年も沢山の赤ちゃんが、この世に誕生したわけです。
すくすくと育ってほしいという願いを込めて付ける名前は、
親が我が子に送る最初のプレゼントと言っても過言ではないですよね。
明治安田生命保険が発表した、
『2012年に生まれた赤ちゃんに多い名前のランキング』によると、
男の子の1位は『蓮(れん)』君、
女の子は『結衣(ゆい)』ちゃんだったようですね。
『結衣』は昨年3位で、今回初の1位という事で、
他には『結菜(ゆな、ゆうな)』、『結愛(ゆあ、ゆうあ)』、
『心春(こはる、ここは)』、『心愛(ここあ、ここな)』といったように、
女の子の名前の上位には『結』『心』の字が入る名前が並んだようですね。
男の子の方の『蓮』は2年連続1位で、
他には、『颯太(そうた、ふうた)』、『翔太(しょうた)』、
『大翔(ひろと、はると)』、『大和(やまと、だいや)』といった、
『太』や『大』など、広がりのある字が多かったようですね。
また、干支が辰でしたから、
それにちなんだ『龍生(りゅうせい、りゅうき)』、
『龍之介(りゅうのすけ)』なんて名前も激増したそうです。
それから、オリンピックの年でしたので、
ロンドン五輪で活躍した体操の内村航平選手の『航平(こうへい)』、
ボクシングの村田諒太選手の『諒太(りょうた)』なんかも順位を上げましてね。
ひょっとしたら中には、螺子(ねじ)と書いて
『螺子(ぼると)』君なんて子もいるかもしれませんね。
全体的な名前の傾向としては、景気低迷や政治の混迷を背景に、
地に足が着いた安定感のあるイメージが好まれ、
東日本大震災を機に、人との結びつきを大切にしてほしいという
親の願いも込められたのではないかという分析ですね。
今は『キラキラネーム』と呼ばれるような、
個性的で読めない名前が多いですから、学校の先生も大変ですよね。
クラス全員の名前に、ひとつの傾向があったら、
先生も判りやすくていいかもしれませんね。
例えば、クラス全員に落語の登場人物系の名前が付いてるとかね。
いつもだらしない笑顔で、鼻を垂らしている
『与太郎君』なんてのがいましてね。
ところがテストをやらせると全教科満点で、
「あたいね、実はIQ200なんだ」
なんて言われたら戸惑いますよね。
クラスいちの美女、『喜瀬川高尾さん』は、授業を終えて出ていく先生に、
「主は今度、いつ授業してくんなます?」
なんてんで里言葉で聞いてたりしましてね。
『甚兵衛君』なんてのは、人がいいから、いつもパシリに使われてますしね。
「熊五郎君、この黒板の問題を解いてみなさい」
なんて指されると、そそっかしい熊五郎君は、黒板の前でチョークを握りしめ、
「指された俺は確かに俺だけど、問題が解けない俺は、一体どこの誰だろう?」
完全に自分を見失ってたりするんですね。
担任の先生は先生でもって、
「よっ、校長先生!今日はまた一段と、頭の光り具合が素晴らしい!」
なんてんで、やたらわけの判らないお世辞ばかり言ってましてね。
周りからは『3年B組・一八先生』なんて呼ばれたりするわけですね。
微笑亭さん太