言葉責めも一興
アイテムのひとつに、『花』があります。
特に女性への誕生日プレゼントとしては、テッパンの感がありますよね。
そんな花にはそれぞれ『花言葉』というものが存在します。
花言葉というのは元々、
特徴や印象を言葉に置き換える事により、花飾りや花束を通じて、
直接言葉を交わさずとも、お互いの意志疎通を図ったり、
感情を伝えるための手段として生まれたようですね。
英国では、19世紀のヴィクトリア朝時代に流行して定着したようで、
当時の花言葉は忘れ去られたものも多いんですが、
国や民族、言語ごとに異なったものがあり、
花の色によっても異なったりするのが花言葉なんですね。
好きな人に『情熱的で甘美な愛情』を意味する赤いバラを贈ったり、
お見舞いに桃色のバラを贈って『病気の回復』を願ったりするのはいいんですが、
中には気をつけなきゃいけない花もありますよ。
健康的な美人に、
「君は、ハイビスカスの花のような人だ」
なんて贈ったりすると、ハイビスカスというのは
『微妙な美しさ』って意味になっちゃいますからね。
スノードロップなんて花は、
本来は『まさかの時の友』なんて良い意味なんですが、
人に贈ってしまうと、贈った途端『あなたの死を望みます』なんて、
とんでもない意味に変わっちゃうらしいですから、
ひとりでこっそり鑑賞するしかないようですね。
お金持ちの男性から、
カルセオラリア、巾着草を贈られた女性は
『あなたに物質上の援助ができる』という意味ですから、
言外に『愛人になれ』と言われてるようなものですね。
逆に、妖艶な未亡人あたりが年下のイケメン男性に
『松虫草』なんて花を贈ったら、『私は感じやすい』と、
完全に『お誘いモード』に入ってる事になりますよね。
さらに、チューベローズなんて花を贈られたら、
『危険な快楽』という意味になりますから、
花言葉と花の名前の響きがマッチしすぎですね。
花言葉は意外な植物にもあったりするようでして、
もし万が一『いじめ』に遭っている人がいたら、
いじめっ子には、ゴボウを手に立ち向かってほしいですね。
ゴボウの花言葉は『いじめないで』らしいですからね。
この世に存在しないとされてきた青いバラ、
ブルーローズの花言葉は『不可能』だったんですが、
最近になって配合に成功したため、
新しく『奇跡』という意味も加わったという素敵な話がある一方、
非常にネガティブな花言葉もあります。
りんどうの花言葉は『苦しんでいる時のあなたが好き』なんという、
SMの女王様のためにあるような花ですし、
ガマズミの花言葉は『無視したら私は死にます』…ほとんど脅しですよね。
また、カキの花言葉は
『広大な自然の中で私を永遠に眠らせて』ですから、
何だか柿の木の下には死体が埋まってそうな気がしますよね。
「実はさ、愛人が妊娠しちゃってカミさんにバレて、
大騒ぎになっちゃってるんだよ。そうしたら娘が俺に、種漬け花をくれてさ」
「どういう意味なの?」
「花言葉が、『父の失策』なんだよ」
…ちなみにマツタケの花言葉は『控えめ』だそうですから、
やはり火遊びは控えめにしなきゃいけないという事ですね。
微笑亭さん太