応援が必要な団体
どんどん増えていってる気がしますが、
そんな割をモロに食っているところもあったりします。
詰襟の学生服にリーゼントヘアという、
昭和からタイムスリップしてきたような格好が
スタンダードである『応援団』ですが、各大学の応援団が、
どこも存続の危機に立たされているようですね。
練習がハードな上、先輩後輩の上下関係が厳しく自由がないという、
現代の若者たちが嫌いそうな三条件が揃ってしまってますから、
敬遠されるのも致し方ないのかもしれません。
応援団員は6大学の慶應で16人、東大で10人程度だそうでして、
他大学では一人、二人なんてところもざらにあります。
ですから現役の団員たちは応援団の伝統を残すために、
新入生との上下関係を緩やかにしたりして、
イメージチェンジを図ってるようですね。
新人の勧誘の場では髪型も今風にして、
学ランからジーンズに履き替え、気さくに話しかけたりするわけですね。
「先輩、何かオゴってよ~」
一年生がそんな口の利き方をしても、ニコニコ笑ってるだけなんですね。
一昔前だったら言った瞬間、前歯2本をその場に残して、
3メートル後ろに吹っ飛ばされてるでしょうけどね。
女性の入団も歓迎しているそうで、
実際、応援団に入ってくる女の子もいるようですね。
将来、こういう気骨のある、たくましい女の子を奥さんにするといいですよ。
毎日会社の前までやってきて、旦那さんの働いているオフィスの窓に向かって、
「フレ~!フレ~!あ・な・た~!」
なんてやってくれますからね。
すぐに名物社員ですよ。
応援団出身者というのは、社会に出てからのウケが大変良いんですね。
というのも、社会で必要な礼儀や、
目上の人との付き合い方が身についてますし、
挨拶や笑顔も自然にできるからなんですね。
第一印象が問われるビジネスの世界では、これは大切な事ですから、
応援団に入るメリットというのは、ちゃんとあるわけですね。
しかし草食系男子が増えた昨今、
応援の仕方も草食系の応援になっていくんじゃないですかね。
野球部の応援なんかに行って、スタンドからエールを送る時でも、
「頑張れたら頑張れ~!」とか、
「無理するな~!」とか、
「負けたっていいんだよ……人間だもの」
なんてんで、相田みつおさんみたいな応援をしたりしてね。
団員が持っている団旗も、
お子様ランチに立つんじゃないかというくらいの、
無理なく持てるサイズでしてね。挙句の果てには、
「フレ~!フレ~!雨降れ~!」なんて、
雨天中止を願ったりするという、
随分頼りない応援団になっちゃいましてね。
逆に、裏で暗躍する『闇の応援団』みたいな組織もできましてね。
こちらの応援団は、かなりヤバイやり方で、
確実に効果のある『応援』をするんですね。
相手チームの選手のスポーツドリンクの中に
強力な下剤を入れたりとか、スパイクの中に画鋲を入れたり、
試合前夜、相手選手宅にこっそり忍び込んで
目覚まし時計を2時間遅らせておくとか、
こんな非公式応援団が登場する可能性も、ありえるんじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太