一期当選のつわもの
候補者にとってはルックスやキャラクターも
票を集めるための大切な要素ですが、
健康問題というのも、かなり重要なポイントじゃないでしょうかね。
「日本の未来を、この私に託して下さい!」って演説している人が、
腕に点滴をして両脇から秘書に支えられてたら、
日本の未来よりも、候補者の未来の方が気になっちゃったりしますからね。
ですから、たとえ健康に不安があったとしても、
決してそれを表に出さずに、元気そうに振舞う方が多いですよ。
持病があるなんて事が有権者に知られようもんなら、
政治家としては死活問題ですからね。
ところが妙なジンクスがありまして、
選挙前に心臓の手術をした政治家というのは、
必ず選挙に勝ってるんですね。
どうしてだろうな~と思って調べてみたら、
手術に使われた器具が『カテーテル』(勝ててる)だったという…
まさに、『禍福は糾える縄の如し』ですよね。
選挙はイメージ戦略も重要ですよ。
政策が重要と言いながらも、
やはり好感度の高い人に票が集まったりしますからね。
ある候補者が、知的なイメージを演出しようと、
常に広辞苑を肌身離さず持ち歩くという事を思いつきましてね。
少しでも暇が出来ると、辞書で物を調べたりしているという、
これはなかなか良いイメージを植えつけられますよね。
当選も間違いないんじゃないかと言われてたんですが、
いざフタを開けてみたら、惜しくも数票差で破れてしまいましてね。
やはり広辞苑を読んでいただけに、次点(辞典)止まりだったわけですね。
今は、候補者の強い味方となる、
様々な選挙グッズというのがありましてね。
例えば『カテール』という選挙用のビニール傘があるんですね。
この傘、骨の数が市販の傘より2本多いため、強風や豪雨にも強く、
透明度も高いので、候補者の顔がよく見えるんですね。
しかもビニールには、肉眼で判らないほどの赤みがかけてあるので、
候補者の顔が適度に紅潮して見えるという、
あざとい加工がされてるんですね。
さらに、取っ手には竹のような節があるため、
持っていても『滑ったり落ちたりしない』という、かなりの優れものですよ。
パラシュートのベルトのような構造で、
上半身に装着すると背中にのぼりを立てられる
『ノボちゃん』なんてのもありましてね。
これは目立ちますよ。
運動員の方々と一緒に『ノボちゃん』を立てて街中を練り歩けば、
武田の軍勢か何かが攻め込んできたんじゃないかと、勘違いしちゃいますよね。
ただ、人間というのは後ろにある物はついつい忘れがちになりますから、
気をつけなくちゃいけませんよ。
道を歩いてたら、のぼりが電線に触れて、感電しちゃったり、
靴紐がほどけたから、しゃがんで前かがみになって結んでて、
ふと見たら、前から来た人の鼻の穴に思いっきり
のぼりが刺さってたなんて事もあるかもしれませんからね。
微笑亭さん太