胃腸事態、発生
仕事上の悩みや職場での人間関係に悩んで、
すぐに胃が痛くなるなんて方もいますよね。
いわゆる、ストレス性の胃炎になって食欲もなくなり、
胃腸薬のお世話になる事もしばしばなんて方です。
営業マンでも公務員でもお店のスタッフでも、
どんな職業の方でも、そうなる可能性はあるわけですが、
唯一、火災現場で活躍する消防士の方だけは胃を患ったりしないそうですね。
『どうしてですか?』って聞いたら
『消火(消化)がいいから』と言ってましたけどね。
「父さん、最近俺、胃の調子が良くないんだけど、何かいい薬ない?」
「そうか。じゃあ父さんが使っている胃薬をあげるから、飲んでみなさい」
なんてんで、お父さんから胃薬を譲り受けましてね。
こういう状態の事を『胃酸相続』と言うそうですけどね。
胃腸薬を、まるでフリスクのように
気軽に飲んでいる方もいらっしゃいますが、
最も有名な胃腸薬だと言っても過言ではないのが、
『パンシロン』じゃないかと思いますね。
この『パンシロン』の累計出荷数が5億個に達したと、
発売元のロート製薬が発表したそうですね。
パンシロンは、高度成長期の1962年に発売され、
発売当初から、残業や接待で激務のサラリーマンに受け入れられたんですね。
そもそもは、飲み過ぎ、食べ過ぎの症状に効く複合胃腸薬なんですが、
胃腸だけではなく、肝臓にも効く成分を加える事で、
不規則な生活を送るサラリーマンの方々の支持を得て、
販売50年というロングセラー商品となったわけですね。
ある年代の方々には、CMでの植木等さんや大橋巨泉さんの印象が強く、
『♪パンシロンでパンパンパン』というフレーズも流行語になりましたよね。
もちろん、パンシロンというブランドにあぐらをかいていたわではなく、
スティック式の包装を業界で初めて採用したり、
水なしで飲めるタイプの錠剤なども販売し、
日夜研究を重ねてきたんですね。
その開発部の努力たるや、研究員全員の胃が痛くなるほどでして…
しかもパンシロンを飲んでも治らないほどだったそうですから、
頭が下がりますよね。
医薬品の分野というのは日進月歩ですから、
これからもどんどんと新薬が発表されて、
大抵の事は市販の薬でコントロールできる時代がやってくるかもしれませんね。
「また課長に、理不尽な怒られ方してたけど大丈夫?
頭に血が上っちゃったんじゃないの?」
「大丈夫、大丈夫。さっき常備薬の『アタマヒヤース』を飲んだから冷静だよ」
「でも、腹の虫が収まらないでしょう?」
「それもさっき、虫下しの『ハラノムシオサマール』を飲んだから収まってるよ」
「随分、ネチネチと嫌味も言われてたね」
「あんな嫌味、『イヤミキキナガース』を飲んでおいたお陰で、スルーできたよ」
「そういえばこの間、
奥さんが男とホテルから出てくるところを見たなんて言ってだろ?
心中穏やかじゃないね」
「あ、それはね、ジェラシーを抑える薬『シットダウン』を飲んだから大丈夫だよ」
こんな風に、あらゆる負の感情を抑制できたら便利なんじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太