むき、不向きがあります
何より甘くて美味しいから、好物だという方も多いかと思います。
ところがここ最近、
若い世代の『果物離れ』というのが激しいそうですね。
厚生労働省の調査によると、
1975年の、日本人ひとり一日あたりの果実摂取量は
194グラムだったんですが、その後どんどん右肩下がりになっていき、
2010年には102グラムと、約6割くらいに激減してるんですね。
国が、望ましい摂取量としている
200グラムをはるかに下回ってるわけで、
特に年代別で見ると40代以下の摂取量が少なく、
20代は61グラムしか摂取してないんですね。
じゃあ、なぜ食べないのかというと、
『皮をむいたりするのが面倒』という贅沢な理由が
ダントツ一位の理由なんですね。
以下、『価格が高いから』、『手が汚れる、ベトベトする』と続くんですね。
そんな風に若い世代に敬遠されがちになってきていますから、
果物に対しての基本知識というのも希薄になってます。
給食のメニューとして出されたサクランボを、
知らない小学生が何人もいて、サクランボの皮をむいて
食べようとしてた子が続出したなんて事もあるようです。
パイナップルや桃は、缶詰のシロップ液の中で育つと思ってる子や、
イチジクを買いに行かせたら、薬局へ行っちゃったなんて子もいるようですね。
作り手の側も手をこまねいて見ているわけではなく、
様々な研究を重ねて品種改良などを行っているようですね。
最近大人気なのが、
茨城県の農研機構果樹研究所というところが開発した
『シャインマスカット』というブドウでしてね。
これは種なしで、皮に渋みがなく、丸ごと食べられるという事で、
これだったら『皮をむいたりするのが面倒』と言っている方でも大丈夫ですね。
同じく長野県が開発した『ナガノパープル』なんてブドウも、
種なしで皮ごと食べられるという事で、収穫量を増やしてるようですし、
丸かじりできる『小玉リンゴ』なんてのもあるそうですね。
スーパーなどで、皮をむいて切って売られている果物もありますが、
全ての果物の皮をむいて売れば、売り上げも伸びるんじゃないでしょうかね。
そうしたら、ブドウの全ての粒を取って皮をむいた物が、
間違って『わらび餅』売り場に置かれちゃったりしましてね。
皮をむいて売ってるとなると、
誰がむいてるのかというのも気になりますよね。
何気なくスーパーの作業場を覗いたら、
太ったおじさんが汗だくになって果物の皮をむいてたら、
ちょっと買う気が失せてしまうなんて事もありますよ。
その噂が広まれば、皮をむいた果物が全く売れない状況になるわけでして…
そのおじさん、果物の皮はむいてたんですが、仕事にはむいてなかったんですね。
種なし品種が喜ばれる中、
全く真逆の物が登場してくるかもしれませんね。
切ってみたら、実が全くなくて種ばかりという『種だけメロン』とかね。
『うわっ、これ種ばっかりじゃん!』
マスクメロンじゃないのかと思って確認してみたら、
『まさかメロン』と書かれてたりしてね。
あと切ってみたら、中身が真っ白という
『皮だけスイカ』なんて物が登場したら、
喜ぶのはカブトムシくらいのものでしょうね。
微笑亭さん太