エブリディ、蚊注射
ぐっすり眠っていたところを、あの『プ~ン』というカンに触る羽音で、
起こされてしまったというご経験がある方は多いでしょうね。
挙句の果てに血を吸われて、
痒くて痒くて仕方がないなんて事になったら腹立たしいですよ。
いつもいつも蚊に迷惑をかけられっぱなしじゃなく、
たまには利用してやろうなんてんで、蚊の死骸を何匹も、
小さなビニール袋に入れて持ち歩いている方がいましてね。
何に使うのかと思ったら、
嫌な上司や先輩にクドクド説教されてる時、
そっと蚊の死骸を取り出して手の平に付け、
相手の頬っぺたをバシッとビンタするんですね。
「な、何をするんだ、君は!?」
「あ、すみません、蚊が…」
と言って、蚊の死骸を見せるという…合理的にこっそり、
腹いせが出来るという事らしいですね。
血を吸い終わって体が3倍くらいに膨れ上がってる蚊を見ると、
『ちょっと飲みすぎじゃないの?』と、思わず心配しそうになりますよね。
あんなに血が吸えるんだったら、赤十字の方々も、
いちいち献血車を街頭に繰り出して協力を求めるよりも、
蚊を訓練してみたらどうですかね。
蚊を手懐けて街に放つわけですね。
たっぷり血を吸って戻ってきた蚊に血を吐き出させれば、すぐに集まりますよ。
もちろん蚊が逃げないように、一匹一匹に紐をつけて、
赤十字の職員の方が操るので、パッと見、長良川の鵜飼いみたいで、
ちょっとした客寄せになるかもしれませんしね。
「蚊ってのはさ、大人よりも赤ちゃんの蚊の方が血を沢山吸うんだってね」
「へえ、どうして?」
「【血飲み子】って言うくらいだから」
…ちなみに、蚊の赤ちゃんはボウフラですけどね。
蚊に刺されても痛くないのが不思議なんですが、
蚊の針というのは実は7本あって、
そのうちの3本を交互に出し入れする事によって、
相手に痛みを感じさせずに刺す事ができるんだそうですね。
その仕組みを取り入れた採血用の注射針が、
今年3月から販売されてるんですね。
実際、注射針による痛みも随分と軽減されているそうです。
学校の健康診断などで予防注射をするなんて事がありますが、
注射は痛いから嫌いって方がほとんどじゃないかと思いますね。
注射を打とうと、お医者さんが子供の腕をバッとめくったら、
交通標識のシールが貼ってありましてね。
よく見たら『駐車禁止』のマークだったらしいですけど…
その子は座布団一枚もらった後、しっかり注射を打たれたそうですね。
この注射針が広く使われるようになれば、そんなエピソードもなくなるんでしょうね。
微笑亭さん太