漫画いちにも、ありえない
至るところで『マンガ喫茶』を見かける事からも判る通り、
漫画だけは相変わらずの人気がありますよね。
手塚治虫さんや石ノ森章太郎さんといった大御所の漫画家の方々には、
個性的なエピソードを持っている方もいらっしゃいますよね。
野球漫画の大御所といえば、
『ドカベン』や『野球狂の詩』でお馴染みの水島新司先生ですが、
あまりにも野球が好きすぎて、漫画の世界と現実の区別が、
若干つかなくなってるのではという事があるようですね。
以前、インタビューで
「現役最高の選手は誰だと思いますか?」という質問に対して
「景浦じゃないかな」と、あぶさんの名前を即答したって話がありましてね。
しかも迷う事なく、ガチで答えていたと言いますから凄いですよ。
それどころか、ソフトバンクの監督をやられていた頃の
王監督と対談する機会があったんですが、その時、王監督が
「…そういえば、あぶさんはまだ、現役でやってるの?」と、
何気なく聞いたんですね。すると水島先生が、
「何言ってんですか!
あんた、今シーズンも何回、あぶさんに助けてもらったと思ってんだ!?」と、
マジギレしたらしいですね。
『世界の王さん』に対してそんな事が言えるのは、水島先生くらいですよ。
そんな水島先生の仕事場は、
八角形の巨大のデッサンルームだそうでして、
真ん中が盛り上がってるんですね。
これは『ピッチャーマウンド』を表しているんだそうでして、
その真ん中で編集長がポーズをとって、
それをアシスタントの方々がデッサンするという、
何だか新興宗教の修業と見紛うような事をされてるそうですね。
仕事場の前には常に、マイクロバスが2台常駐していて、
いつでもすぐに野球を見に行ける態勢がとられているんだそうですね。
『どんだけ野球好きなんだよ?』って話ですが、
最大の疑問は『一体いつ、漫画を描いてるんだろう?』という事ですよね。
噂によると、アシスタントの方がほとんどの部分を描き、
水島先生が描くのは『キャラの目だけ』という話ですね。
「えっ、キャラの目しか描かないんですか?」
「何言ってんの、本宮ひろ志先生は、目も描いてないんだから」
…まあ、あくまでも噂ですけどね。
やはり一流の先生というのは個性的な方が多いんですが、
個性的といえば楳図かずお先生も個性的ですよね。
楳図先生といえば
『漂流教室』や『おろち』といった恐怖漫画で有名ですが、
夜中にひとりでその手の漫画を描いていると、
やはり怖くなるんだそうですね。
そんな真夜中、楳図先生の仕事場を、ファンだと言う、
ひとりの女性が訪れたんだそうですね。その女性は先生に向かって、
「楳図先生の恐怖漫画をよく読みますが…どうして先生は、
私の生活を漫画に描いてらっしゃるんですか?」
ちょっとイッちゃってる感じの女性の目に、
楳図先生は心底怖くなり、それ以来、
恐怖漫画から真逆の『まことちゃん』にシフトチェンジをしたそうですね。
先生にとってはそれが一番怖い体験かと思っていたら、
数年後、『まことちゃんハウス』なる自宅を建てたら、
その奇抜な外観が景観を乱すという事で、近所の方から訴えられたというのが、
どうやら最大のホラーだったようですね。
微笑亭さん太