どうぞ、50に…
これは、しなびた野菜を50度の湯で洗うと、
途端に鮮度が蘇るという驚きの効果の事で、
これを発見したのは、蒸気技術工学の専門家で、
『スチーミング調理技術研究会』代表の平山一政さんという方なんですね。
『早稲田大学社会システム工学研究所』の研究室長だったこの方は、
100度以下の低温で蒸す調理法
『低温スチーミング』を開発されたんですね。
その研究過程で発見されたのが、この『50度洗い』だったそうですね。
野菜の50度洗いは、ボウルに50度のお湯を注ぎ、
素早く野菜全体を湯に浸し、1分から3分間ほど洗うんですね。
50度の目安は、お風呂の温度より高く、
手をつけてかろうじて我慢できるくらいの熱さですね。
今いち判らない方は、ダチョウ倶楽部を入れてみて
『殺す気か!』と言われるくらいの温度ですね。
洗っているうちに温度が下がってしまう事があるので、
お湯を注ぎ足しながら温度を保つのがポイントですね。
くたっとしていたレタスやほうれん草を、
この方法で洗うと、途端にしゃきっとして色も濃くなり、
野菜嫌いの原因になっているアクや臭みも抜けるという
いい事づくめのようですね。
さらに、
水っぽくなるので洗わないほうが良いとされる生シイタケも、
この方法で洗うと、こんもり膨らんでぷりぷりになり、
かさの色も濃くなり、松茸に近い香りがするようになるそうですね。
これを使えば誰でも簡単に、『なんちゃって松茸ご飯』ができそうですよね。
なぜ鮮度が蘇るのか、そのメカニズムが気になるところですが、
そもそも野菜がしおれる原因は、細胞の水分がなくなるためなんですね。
収穫後、保有成分は徐々に放散され乾燥を始めますが、
水分蒸発を抑えるため表面の気孔は
閉じた状態になっているんですね。
その状態で50度の湯に入れると、
ヒートショックで葉の表面の気孔が開き、
失われていた水分が瞬時に吸収されて、
しゃきっとした収穫直後のような状態に戻るという事らしいですね。
昔から切り花を長持ちさせるために、
茎の切り口を80度くらいのお湯につける
『湯あげ』という方法がありますが、それと同じメカニズムのようですね。
この方法が人間にも使えたらいいですよね。
『ウチのかみさん、年取っちゃって、
すっかりしなびちゃったな~』と思ったら、
50度のお湯に入れて洗ってみたら、
20代の頃のハリとツヤが戻ってくるんじゃないですかね。
50度でそれだけの効果があるんだったら、
100度のお湯に入れたら、きっと2倍の効果があるんでしょうね。
「どれ、ワシもやってもらおうかの~」
とお婆ちゃんを50度洗いしてみたら、
折り畳めるくらいしなびていた胸が、
一瞬にしてGカップの巨乳になっちゃうかもしれませんよ。
夏の高校野球なんかでも、
チャンスでのバッターボックスが回ってきて、
気合いを入れなきゃいけない時は、
直前にベンチ裏にある熱湯に入り、しゃきっとして出ていきましてね。
本当の意味での『熱湯甲子園』になりそうですね。
微笑亭さん太