時間の問題ではない
首に『強盗犯』の札をかけられたまま、
市内を引き回されるという罰を受けたようですね。
いわゆる、『市中引き回し』というやつですよ。
時代錯誤も甚だしいと思ったら、
「あら、私は鍋が焦げつかないように、台所でよくやってるわよ」
…お母さん、それは『シチューかき回し』です。
最近、『時効の撤廃』という事が盛んに言われるようになってきてますね。
罪を犯した人間でも一定期間逃げ延びれば、
その罪を免除するというのが時効なわけですが、
少し前に、殺人の時効が15年から25年に延びましたよね。
しかし、
『犯罪被害者遺族にとっては、時効などありえない』という声の高まりから、
殺人や強盗殺人の時効を廃止し、
傷害致死や強姦致死など、他の重大犯罪に関しても
時効を延長しようという方向で話が進みつつあるようですね。
もちろん、時効廃止に対する慎重論もありますから、
これからどうなっていくかは判らないんですけどね。
結局時効というのは、
『逃げ得』の印象というのがどうしても拭えません。
ですから、犯罪を抑止するためにも
『逃げ損』になるように法律を改正したらどうですかね。
例えば『どんな犯罪でも、10年経ったら全部死刑』とかね。
これは怖いですよ。
賭博や下着泥棒でも、10年逃げてて捕まったら、
全部死刑になっちゃうわけですね。
「聞きました?3丁目の田中さん、
10年前にチョコボール1個万引きしたのがバレて、
死刑になっちゃったんですって」って、これは嫌ですよね。
『下手に逃げ延びたりすると命が危ない』というので、
犯罪者が次々自首してくるようになるんじゃないですかね。
あるいは、昔あった刑を現代風にアレンジして復活したらどうですかね。
例えば、江戸時代にあった『百たたき』という刑は、
往来でお役人に100回叩かれるというものですが、
これを女王様にムチで叩いてもらうんですね。
しかもその様子を、テレビで中継したりなんかしてね。
体の痛みの他に、別の意味で『イタ~い』感じになっちゃうわけですね。
それから、体に刺青を入れられる刑なんかもありましたが、
額のところに『肉』って入れられたりしてね。
さらに裸になると、肩から脇腹にかけて斜めに『本日の主役』なんて、
パーティーグッズで売ってるタスキのような刺青を入れられたりするという、
これは恥ずかしいですよね。
両手を鎖で繋がれて何日間か過ごすという『手鎖』なんて刑もありましたが、
この場合も、両手を鎖で繋いだ上、
頭にはミッキーの耳をつけ、眉毛はイモトアヤコみたいな太い眉、
頬っぺたにはバカボンみたいな『ナルト渦巻き』を書かれて
数日を過ごさなければならないという、これは精神的に来ますよね。
逆に、
『時効がなかったものに時効を設ける』なんてのも、いいかもしれませんね。
「・・・すみませ~ん、お隣の木村ですけど。
宅配便の荷物を預かっていただいてると思うんですけど」
「ええ、預かってましたよ」
「・・・え?預かってました?」
「ほら、この間の法律改正で、
『預かった荷物は3時間で時効』と決まったでしょう?
もう3時間経ったんで、入ってた毛ガニ、美味しくいただきましたよ」
「食べちゃったんですか!?」
なんてんで、これは怒ります。
食べ物の恨みは怖いですから、
思わずお隣さんと取っ組み合いのケンカになって、
『毛ガニ』で『ケガ人』が出ちゃったりしましてね。
やはりそういうところには、時効を設けちゃいマズいですよね。
微笑亭さん太