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古典落語が、そうでなくなる境界線

落語というのは、
『演者』というフィルターを通して味わう物で、
どんな形、味わいの物が出てくるのか、
お客さんは、それを楽しみにして、寄席に来られるのじゃないかと思います。


古典落語は、昔からある形を基本に忠実に演じ、
それで大爆笑を取るのが、きっと『理想』なんだろうと思いますが、
なかなかそうはいきません。


そこで演者は、落語に色んな手を加えるわけです。
沢山ギャグを放り込んだり、ストーリー展開を変えてみたり、
登場人物を増やしてみたり、サゲを作ってみたり、
同じ噺であっても、100人の噺家がいれば、
100通りの噺が存在するといっても過言ではないでしょう。


私もよく古典落語に手を入れて改作するんですが、
情けない事に、その『さじ加減』というのが、
いまだに判らないんですね。


ギャグを入れたり展開を変えたりしていくほどに、
その古典落語が自分色に変化していきます。
楽しくて楽しくて、脳内にドーパミンが放出され放題になり、
どんどんエスカレートしていっちゃったりするんですが、
そんな時、ふと我に返る事があります。


これって『古典落語』である必要はあるのか、と。


そんなに改作するのなら、新作を一本作ればいいんじゃないの?という
自分自身に対する疑問がわいてきます。
古典を改作すればするほど、
古典である必然性がなくなっていくという、私の中でのジレンマですね。


そしてさらに『お客さんの反応』というのが気になります。
ある程度寄席に足を運ばれる方でしたら、お客さん一人一人に、
古典落語に対するイメージというものが、おありになるでしょう。


『古典落語は、かくあるべき』と思ってらっしゃる方々に、
『古典です』と言いながら『古典のようなもの』をお出しした時に、
怒りを買うのではないかという危惧ですね。


特に私の場合は、時代考証やディテールにこだわらず、
自分が考えるところの面白さ優先で手を入れるので、
受け入れてもらえない可能性が高いと思うのです。


そういう手の入れ方は、落語の仲間うちではウケたりします。
それは、『本来の形』を嫌というほど聞いてるから、
そこに違うものを持って来られた時のインパクト、
いわば『パロディ的』な面白さを見つけている場合が多いですよね。
そのウケに惑わされて甘えてしまい、
一般のお客さんが面白いと思ってくれているのかどうかを
完全に見失ってる事がよくあるのです。


本来の古典を『A』、自分が改作したものを『B』とした時、
極端な言い方をすれば、
BがAを上回ってなければ、Bの存在価値はないに等しいのではないかと。


古典落語に自分色を残したいと思って、苦労して手を入れてるのに、
それがどんどん、お客さんと乖離していく結果を招いているのなら
本末転倒も甚だしいですよね。
その『さじ加減』が判らず、大学の落研時代から
ちっとも進歩してない自分に気付き、愕然とする事がよくあります。
何をやってんだか…本当にダメですよね。


それを教えてくれるアドバイザーでもいるといいんですが、
結局は己で判断するしかありません。
これからもこの『さじ加減』で苦労していく自分がいるんでしょうね。


微笑亭さん太
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旅人よ~The Longest Journey~





昔、現代文の試験で読んだ文章を思い出しました。

釣りをする筆者が名人に釣り方を教わった時に名人が言うんですね。
君はいまぼくが教えた釣り方で苦もなく一匹釣り上げた。
喜んだ君はもっともっと釣りたくなる。
そして、ぼくから教わった釣り方に工夫を凝らして、
さらに沢山釣れるように努力し始める。
ところが意に反して魚はどんどん釣れなくなる。
君は暗礁に乗り上げる。
釣り方に悩み、自身の才能を疑い、壁にぶち当たる。
そんな風に試行錯誤してゆくうちに、やがて一筋の光りが見え始める。
それを手繰り寄せ、君はまた魚を釣れるようになる。
そこでさも、悩んで見つけた自身の釣り方だ、と胸を張って言うけれど、
それは一番最初にぼくが君に教えた釣り方なのだ。


演者さんには、古典でも創作でも、作品を作られた方の意をきちんと受け止め、
自分らしく丁寧に解釈して演って頂ければなあと思います。
それが高座に表れていれば、きっとお客様に通ずると思いますね。

長々大変失礼致しました。
いつも高座では楽しませて頂いております。
応援してますよ。
頑張ってくださいね。


Re: 旅人よ~The Longest Journey~

華さん、ありがとうございます。

ためになるお話、ありがとうございました。
まあ、この事に関しては、ず~っと思っている事でして、
無限ループのような状態になっております。
答えは出ないので仕方ないですね。
微笑亭さん太 プロフィール

微笑亭 さん太

Author:微笑亭 さん太
愛知県豊田市在住
豊橋落語天狗連所属

公演依頼される方は、
090-8133-6921
にお電話下さるか、
hohoemiteisanta@yahoo.co.jp
あるいは、
hohoemitei-santa@hotmail.co.jp
までメール下さい。

アマチュア落語家として高座に上がる一方、創作落語を執筆し、自ら演じたり、プロの師匠方にも提供しています。寄席、イベント等に呼んでいただければ、喜んで駆けつけますので、よろしくお願い致します。

『悪質商法撃退落語』『振り込め詐欺防止落語』『認知症落語』『納税推奨落語』『男女共同参画落語』などの、特定のテーマの落語口演も致します!

また、イベントの司会、台本や原稿等の執筆依頼も受け付けておりますので、お気軽に御連絡下さい。


●エフエムとよた
【ラブィート演芸 楽市・落語】パーソナリティ
日曜日午後5時~5時半(隔週担当)放送中!


《受賞歴》
平成16年 『六人の会』主催 
第1回全国落語台本コンクール
最優秀賞

平成20年 落語協会主催
落語台本コンクール
佳作

平成21年 国立演芸場主催
漫才・コント台本コンクール
最優秀賞

平成21年 池田市主催
社会人落語日本一決定戦
3位入賞

平成22年 池田市主催
社会人落語日本一決定戦
奨励賞受賞

平成24年 落語協会主催
落語台本コンクール
優秀賞

平成24年 上方落語協会主催
落語台本コンクール
佳作

平成25年 池田市主催
社会人落語日本一決定戦
藤本義一賞受賞

平成25年 上方落語協会主催
落語台本コンクール
佳作(2期連続)

平成27年 落語協会主催
落語台本コンクール
最優秀賞

平成28年 落語協会主催
落語台本コンクール
優秀賞(2期連続)

平成29年 落語協会主催
落語台本コンクール
最優秀賞(3期連続)

平成30年 落語協会主催
落語台本コンクール
優秀賞(4期連続)

令和元年 落語協会主催
落語台本コンクール
優秀賞(5期連続)









微笑亭さん太 『団塊居酒屋』(さん太・作) 動画

団塊居酒屋 前半

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『豆腐小僧』 春風亭小朝師 林家正蔵師

『トイレ革命』 三遊亭亜郎師

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『地球最後の日』 三遊亭丈二師 三遊亭吉窓師

『罪を憎んで・・・』 月亭遊方師

『かごめかごめ』 桂文雀師

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『リベンジ商店街』古今亭駒次師

『隣の男』林家時蔵師 林家正雀師

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