トラブルのタネ
『この、おたんこなす!』なんてな事を仰る方がいらっしゃいます。
この【おたんこなす】とは、
そもそもどういう意味なのかというのが気になりますよね。
その昔遊郭で、嫌いなお客の事を【おたんちん】と呼んだそうでして、
【おたんちん】というのは【短い男性器】の事を指すようですね。
おたんこなすの【おたんこ】は【おたんちん】が訛ったものだそうでして、
なすを男性器に見立てて【おたんこなす】という言葉が出来たと言われてましてね。
ですから
「この間、かみさんとケンカした時に
『この、おたんこなす!』なんて言われちゃったよ、ハハハ・・・」
なんて笑ってる方は『この、短小野郎!』と罵られて喜んでるのも同然なわけです。
昔は普通に使われていたとしても、差別にうるさい現代においてはこの言葉も、
男性に対する差別用語になってしまうかもしれませんね。
相手を差別するつもりはなくても、知らない間に差別用語を使ってしまったり、
差別的行動をとってしまったりという事はあるようでしてね。
先日アメリカのデトロイトで、消防隊に新しく入った新人が、
差別問題で解雇されるという事がありましてね。
この消防隊では、新人は何か手土産を持ってくるというのが伝統となってるんですね。
デトロイト市消防局の見習い消防士が配属に先立ち、隊長から、
「義務ではなく有志でだけど、何か手土産を持ってきてほしい。
手土産は大抵はドーナツだが、他に何か良いと思うものがあれば、
それを持ってきてくれ」
と言われたんですね。
するとこの新人、スイカをピンクのリボンで包装して、
配属先の消防署へ持ち込んだんですね。
その途端、笑顔だった隊員たちの顔が引きつって、
最悪の空気になっちゃいましてね。
その新人も『・・・あれ?ボク、何かやらかしちゃったかな?』と思ってたら、
隊長が近づいてきて『残念ながら、君は解雇だ』という事で、
即クビになっちゃったんですね。
これ、事情を知らない方には意味が判らないと思いますが、
【スイカ】というのはアメリカでは
【黒人を侮辱するための象徴的存在】とされていて、
そこの消防隊の90%が黒人だったんですね。
本人は人種差別をするつもりもなければ、
品のないジョークでもなかったらしいのですが、
まさに持ち込んだ爆弾で自分が吹っ飛んじゃったに等しい、
最悪のプレゼントを持ってきちゃったわけですね。
これ、日本に置き換えてみると、病気で入院している知人に対して、
『早く良くなってね』と言って【菊の花】を持ってお見舞いに行くようなもんですから、
グーで殴られても文句は言えないような案件ですよね。
19世紀の頃から『アメリカの黒人はスイカに対して、
尋常ではない食欲を示す』と言われて、
スイカが差別の象徴とされてきたそうですね。
日本に住んでいる黒人の方もいらっしゃるわけですから、
日本でも気をつけないといけませんよね。
とりあえず近い将来【スイカ割り】が禁止になる事は確実でしょうね。
微笑亭さん太