霊長類最強女子の憂鬱
どんな貧しい国でも参加できるため、
国際試合では常に百ケ国以上が参加する人気スポーツなんですね。
己の体一つで誰でも始められ、練習次第で強くなれるという、
オリンピック精神に一番忠実な種目だと言っても過言ではありません。
そのレスリングが今、
オリンピックの競技から外されようとしているというのは、
信じられない感じですよね。
26ある中核競技の中から、ひとつ外す候補に入った事も驚きですが、
その中で断トツ最下位で決まってしまったのは、もっと驚きですよ。
『テコンドー』や『近代五種競技』は残ったわけですが、
近代五種の五つの種目を全て言える人は少ないと思うんですが、
それよりも優先的に、レスリングを外す必要があるんでしょうかね?
もっと言えば、次回のリオ五輪から正式競技となる
『ラグビー7人制』なんて競技、見た事ない気がするんですが…
優先順位の基準が今ひとつ判らない感じは拭えませんね。
過去の歴史を振り返ってみると、
水泳の鈴木大地選手がバサロ泳法で金メダルを取った直後、バサロが禁止され、
長野五輪で日本のスキージャンプ陣が金メダルを取った直後、
長身の外国人選手に有利になるように、
スキー板の規格が変えられるなんて事が起こりました。
単なる偶然と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、
吉田選手や伊調選手が金メダルを量産しているレスリングが
こういう扱いを受けると、日本人としては、妙に勘繰りたくなりますよね。
このタイミングだったら、外すのはレスリングじゃなくて、
柔道じゃないかという気もするんですが…
外された原因が、今いちはっきりしないというのも不可解ですよね。
『ロビー活動の不備』が原因の一端だとされていますが、
陸上や水泳といったメイン競技の関係者が、
積極的なロビー活動をしてたとも思えませんよね。
そもそもロビー活動は、
そのスポーツの持つ素晴らしさとは何の関係もありません。
IOCは、全く選手の方を見てないんじゃないでしょうか。
これではオリンピックは『スポーツの祭典』ではなく
『ロビー活動の祭典』になってしまいます。
何となくIOCが、
廻船問屋に賂(まいない)を要求する悪代官にすら見えてきます。
事によったら次回から、新種目として
『ロビー活動』が加わるかもしれませんね。
まだ復活の望みはあるわけですが、
以前、同じように除外の憂目に遭った『野球』と『ソフトボール』は、
『野球&ソフト』として復活を狙っています。
ですからレスリングも、他の競技との合せ技で復活する手もありますよね。
例えば『陸上&レスリング』なんてんで、
ゴールに向かって走り出した選手たちが、
途中でおもむろにレスリングで対戦し、
勝った方だけがゴールテープを切ってもいいとかですね。
『馬術&レスリング』では、
馬に乗った選手たちが馬上をマット代わりにして試合をするという、
ある意味『騎馬戦』とも言える状態ですね。
あるいは、頬かむりをした泥棒を、レスリングの技でねじ伏せる
『アルソック』なんて新種目を作ってしまうのも、いいかもしれませんね。
微笑亭さん太