月に代わって、跡継ぎよ!
『地球はひとつ』と歌われているように、
地球というのは一つしかないので、
世界中の人々みんなで大切にしていかなければいけません。
ある国の人間が、生活レベルを維持するために必要な
農地や海、森林などの合計面積を示す
『エコロジカルフットプリント』という指標があるんですが、
それによると日本は、国土が本来供給できる量に比べて、
7倍近い自然資源を利用しているらしいですね。
人間だったら、確実に『カード破産』を起こすタイプですね。
もしも世界中の人々が日本人と同じ暮らしをしていたら、
地球が2・3個必要になるそうですね。
世界全体で考えると、地球が1・44個必要な生活になっていて、
それによると、昨年はもう
8月21日の時点で『地球1個分』を消費しちゃってたそうですね。
まさか夏休みの宿題が終わるより先に、地球が終わってたとは、
夢にも思いませんでしたよ。
危ないのは地球ばかりじゃありません。
米スミソニアン航空宇宙博物館の天文学者たちが、
わずかながら、月が縮んでいるというのを発見して、
科学誌『サイエンス』の中で発表したなんて事がありました。
月の表面の写真を分析したところ、
14の断崖が月の表面にできている事が判ったそうでして、
これは、月の地殻が冷えて月面が収縮した結果、
断崖ができたらしいんですね。
こんなひび割れが生じるのは、月の表面か、
夕方の八代亜紀さんのメイクくらいだそうですね。
月も誕生してから45億年ほど経つそうですから、
そろそろ『お肌の曲がり角』を迎えてるという事になるんでしょうかね。
このまま月が収縮し続けるとなると、
いつか無くなってしまうかも知れません。
月が無くなったら寂しいですよね。
ですから今のうちに、月の後継者というのを育てておくべきですよね。
「…あ、師匠、よろしくお願いします」
「アンタかいな、ワシの後釜として、2代目の月になりたい惑星ゆうんは?」
「はい、師匠のように、地球人に愛されるような立派な月になりたいと思います」
「なるほどな~。せやけど、お月様ゆうのんも、楽な仕事やないで。
一定周期で満月になったり三日月になったり、
ダイエット、リバウンド、ダイエット、リバウンドの繰り返しや。
これなかなかしんどいねん」
「大丈夫です。ボク、ちょっとアゴがしゃくれてるので、
比較的、三日月はやりやすいと思います」
「おもろい事言うな~、自分。
まあ、月ゆうのんは、お天道さんの光を受けて輝いてるちゅう、
いわば、人のフンドシで相撲を取ってる存在や。
せやのに『ロマンチックやな~』ゆうて、
地球人には妙にウケがええという、『オイシイ仕事』やからな。
ホンマ、地球人は月好きやで。十五夜の時なんか、めっちゃ見てくるで」
「あの~、ボクは何をしたらいいですか?」
「せやな~、とりあえず、ウサギを飼え。
月はな、ウサギ飼っとかなあかんねん。
あと、ウスと杵も用意したってな。あ、それからな、
ちょいちょい、かぐや姫が地球へ行きたがるさかい、それ止めたってな」
「はい。…あ、師匠、師匠の周りを何か飛んでますが」
「あ、これな~。うるさいハエやねん。
ワシに止まると勝手に旗とか立てるさかい迷惑してんねん。
このハエの事を地球では、『宇宙船』ゆうてるらしいけどな」
なんてんで、是非とも後継者を育てていただきたいですね。
微笑亭さん太