行かれた方はよくお判りでしょうが、
池田の予選会場は、人の出入りが激しいです。
皆さん、お目当ての噺家さんを求めて会場を回りますので、
一席終わると、客席が総入れ替え的な場合もあります。ですから、次に上がる人の邪魔にならぬよう、
人の出入りが完全に済むまで、お囃子を流し続けます。
落ち着いたところで演者が上がり、演っている最中は、
途中入場させないように、スタッフの方々が気を配って下さいました。
私の出たコミュニティーセンターの話ですが、
演者が上がって1、2分した頃、
スーツ姿のおじ様が駆け込んで来て、中に入ろうとしたんですね。
当然、スタッフの方に止められまして、
『すみません、ご遠慮下さい』
『そんな事言わんと、入らせてえな』
『いえ、終わるまで待って下さい』と強固に止めるスタッフに一言、
『ワシは審査員や!』…この会場の審査員の方が、トイレから戻ってこられたところだったんですね。
これは…入れないわけにはいきません。スタッフも苦笑いでした。
私が高座を終えて建物の外にいると、
話しかけてきて下さった方がいました。
『自分、オモロかったな~』
『あ、そうですか、ありがとうございます』
『あれ、テッパンネタやろ?何べんもかけてるやろ?』
『え、ええ、まあ、何回かは…』
『せやな~。せやろ思うたんや。せやなかったら、あないに喋られへんわ。
自分、イケる思うてるやろ?決勝はもろたくらいに思ってんのとちゃうん?』
『いやいや、とてもそんな事は…』
『正直ゆうたらええやん。あないウケてんねんから。
決勝進出コメントとか考えてんのと違うか~?』
……え~っと、私はあなたと初対面ですよね?『20年来の親友』とかではないですよね?
明らかに年上の私にも、
『フレンドリーな口調』で話しかけてくれる
大阪のお兄さんに出会いました。
予選の夜、昨年の名人である『五月家ちろりさん』のやられているお店、
『ちりとてちん』にお邪魔しました。
無眠さんや虎や志さんを始め、色んな方が沢山いらっしゃって楽しかったです。
私が2階のお座敷に入っていくと、
『何や、来たんかい』…フレンドリー兄さんがいました。
落語の知識も豊富で、落語についてアツく語ってらっしゃるんですが、
とにかく私は、
この方が誰なのかが判りません。『…出場者の方なのかな?…誰か、この人の芸名を呼んでくれないかな…』
そんな事を考えながら、『自分、どない思う!?』と、
盛んに切り込んでくるフレンドリー兄さんのトーク攻撃をかわしていました。
スキを見て、周りの知っている方々にこっそり、
『すみません、あの方は誰なんですか?』と聞いてみたんですが、
誰も知らないんですね。
じゃあ、親しげに話していた
ちろりさんなら知ってらっしゃるだろうと聞いてみると、
『私も知らんのよ。せやから、誰かこの人の芸名呼んでくれへんかな~って』
…彼女も私と全く同じ事を考えてました。
結局、誰だったんだろ?(笑)お店には、審査員を務めてらっしゃった桂枝三郎師匠と三歩師匠が、
たまたま飲みに来られていました。
枝三郎師匠は、お酒好きの、とても楽しく良い方で、
ここでは書けない事とか、書けない事とか、
書けない事まで沢山話して下さいました。
師匠、飲みにまで連れていっていただき、大変お世話になりました。

色々な方々のお陰で、
楽しい思い出が沢山できて、心から感謝しています。
唐突ですが、明日の告知をさせていただきます。
10/28(木) 午後7時~ 木戸銭¥800(ティータイムあり)
『第3回 こうた寄席』 幸田町民会館・あじさいホールにて(0564-63-1111)
出演・橘亭郵便箱 微笑亭さん太 鶴橋減滅渡
今年で3年連続となる『こうた寄席』です。
寄席の責任者の方から、『大いに宣伝して下さい』と頼まれてますので、
どうか皆さん、お越し下さい。
仲入りには、美味しいお茶が飲めますよ。
…そこが売りかい!(笑)
微笑亭さん太