古典落語と新作落語のバランス

今現在は、新作落語を書き続けている私ですが、
大学の落研時代は、新作があまり好きではなく、
『古典にあらずば落語にあらず』くらいの考えを持ってました。
高座でも新作を沢山演っている今の自分が、信じられない気がしますね。
プロの師匠方でも、
新作をお演りになる方は、昔に比べたら格段に多くなったでしょうね。
基本古典の方でも、たまには新作を演るパターンが増えましたよね。
落語初心者の方にとっては、
新作というのは落語への入り口として、とても便利なものだと思います。
昭和テイストが消えつつある現代、
新作の担う役割というのは、どんどん大きくなっていくでしょうね。
しかし、です。
あくまでも私の感覚ですが、新作をかける時というのは、
ほんの少しの罪悪感というのが、いつも付きまとっているんですね。
皆さんは古典落語を聞きにきたのであって、
『お前の、わけわかんない噺を聞きにきたわけじゃねえ!』
と言われてる気がして仕方がないんですね。
もちろん、
そんな事を言われた事はないし(思ってても言わないでしょうが・笑)
考えすぎだと思うんですけどね。
1人で2席以上演る時というのは、
新作が1つは入っていても、あまり罪悪感はないんですが、
1席の時というのは、
果たして自分の新作を演っていいものなのかどうか
結構迷ったりします。…でも、結局かけてますけどね(笑)
そう考える時いつでも、
古典落語の持つ偉大さと畏敬の念を覚えますね。
いつか、
古典に負けない新作落語が作れたらいいな~と思います。
微笑亭さん太