創作落語『重機の恋』

金曜日の記事の
ミクシィでの小遊さんへのコメントの中で、
【ブルドーザーとパワーショベルがダンプカーを取り合うネタ】
なんという、ありもしないネタを書いてしまいましたが、
本当にそんなネタを作ってみました(笑)
よかったら、誰かやってくださ~い(笑)


「おい、ブルドーザー」
「何だよ、パワーショベル」
「お前、ダンプカーの事が好きだって聞いたけど本当か?」
「えっ?誰に聞いたんだ、そんな事」
「三点式パイルドライバーのヤツだよ」
「あいつ、喋ったのか?口が軽い野郎だな。あいつ三点式だから、すぐに三角関係になるような事言っちゃうんだよな・・・あいつに喋っちゃった事、クイが残るな」
「何を言ってんだよ。俺がダンプカーの事好きなのは知ってるだろ?何で知ってて横恋慕なんかするんだよ」
「お前はさ、『男は押しの一手だ!』とか言って、強引に前へ進むだけだろ?そんなんじゃ、ダンプちゃんの心はつかめねえよ」
「どういう意味だよ?」
「彼女はな、毎日現場と山を往復して砂を運ばされる毎日を送ってるんだ。そんな無機質な毎日から彼女を【すくって】あげられるのは、パワーショベルである俺だけさ。この太くてたくましいアームで、ダンプちゃんをギュッと抱きしめてあげるから」
「・・・その勝ち誇ったような顔は何だよ」
「これがいわゆる【土砂顔】ってやつ」
「うるせーよ!俺と彼女の方が相性がいいんだぞ」
「相性がいい?どうして?」
「血液型だって【大型】同士だから」
「何言ってんだ、俺だって大型だっつーの」
「・・・ちょっと二台とも、何やってるの?」
「あ、ダンプちゃん!今、君の事でブルドーザーともめてたんだ」
「えっ、私の事で?どうして?」
「ダンプちゃん、俺たち二台とも、君の事が好きなんだ。俺とブルドーザー、どちらか選んでくれ」
「あなた達のどちらかを選ぶって・・・そんなの無理だわ」
「どうして?」
「だって私には、好きな人がいるの」
「好きなやつがいる?誰だよ?ミキサー車のやつか?ロードローラーか?それともスクレーバーか?トレンチャーか?モーターグレーダーか?」
「・・・重機の名前が専門的過ぎて、みんなピンとこないわよ。そんなのじゃないわよ」
「じゃあ、誰なんだ?」
「あの看板の彼よ」
「あの看板って・・・工事中の看板の事?」
「そうよ。あの【ご迷惑をおかけしております君】よ」
「え~っ!?どうしてあいつなの?」
「彼の腰の低さ、物腰の柔らかさに、大人の魅力を感じるのよ」
「そんな・・・俺たちじゃダメなのかい?」
「ご迷惑をおかけしております君に比べたら、あなた達は子供っぽいのよ」
「子供っぽい?どうして?」
「ダンプカーの私から見たらあなたたちは、【ジャリ】同然なのよ」

・・・おあとがよろしいようで・・・


微笑亭さん太
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祝(?)創作落語20周年!【後編】

創作落語を人前で演じるというのは
【自分の感性をお客さんに受け入れてもらう作業】
ではないかと思いますが、
結果が出ない事の方が多いですね。


よく『どうやったら創作落語は書けますか?』と
質問される事がありますが、そんな秘訣があるなら
私の方が教えてもらいたいくらいですね、マジで(笑)


ただ、創作落語を書く秘訣は判りませんが、
【創作落語を書く時に気をつけている事】というのは
幾つかあったりします。


まず第一に
【自分の好きなジャンルのネタは避ける】という事です。


ネタというのは自分が詳しい事で書く方が有利ですから
自分の好きなジャンルで書きたくなるのが人情です。
しかし、自分がそのジャンルが好きなゆえに、
どんどんとディープになっていく怖れがあるんですね。
【面白さ】よりも
【自分の趣味】が優先してしまう危険性があります。
こういうネタを作ってしまうと、
お客さんは置いてきぼりみたいな感じに
なってしまう可能性が高いんですね。


現に私も、【特撮ヒーロー】とか【推理小説】が大好きなので
そのジャンルのネタは、なるべく避けるようにしています。
とは言うものの、自分の好きなジャンルは作りやすいですから、
そういうネタを作る時には、マニアックにならないように
胆に銘じる事が大切かと思います。


次に、二つ目として
【擬人化ネタも、なるべく避ける】という事です。


本来は喋らないものが喋るという【擬人化】という手法があります。
古典落語にも、タヌキやキツネが喋ったりなんて噺は
広く演じられています。
新作落語だと、電化製品や大工道具などの
無機物が喋ったりなんて噺もあるでしょう。


これはお客さんにも判りやすくて、
噺も作りやすいです。
喋らないものが喋った時点で、もう既に落語ですからね。


しかし作りやすいがゆえに、
このパターンを使いだすと、どのネタもみんな
擬人化する方向にいってしまう傾向があるんですよね。
それは自分の作品の可能性を
狭める方向に進んでしまう事になりかねませんから、
色んな創作落語を作りたいと思ってる方は
擬人化作品には、なるべく頼らない方が
ベターなのではないかと思いますね。


そして三つ目が
【笑いの構図を単純化する】という事です。


創作落語を作っていると、ベタになる事を嫌って
ストーリーを複雑にしたり、二転三転する展開にしたりと
自分なりの工夫をされる方もいらっしゃいます。
そういう【営業努力】は素晴らしいんですが、
それがかえって、自分の首を絞める可能性も
あるんじゃないかと思います。


落語というのは、その場その場の刹那的なものです。
本のように読み返したり、DVDのように見返したりは
決して出来ません。
言葉として発した瞬間、
そこでお客さんに伝わらなかったらアウトなわけです。
下手にストーリーを複雑にすると、
伝わらない危険性が高まるのではないかと思います。


お客さんが噺を聞き進めた時、
『あ、この噺は、こういうパターンで
笑いを取っていくんだな』という事が
ある程度、予測できる展開がいいんじゃないかと思います。


私の個人的な感覚では、70~80%くらいは予測がついて、
後の20~30%くらいで味つけしたり、展開を裏切ったりくらいが
聞いてる方も心地よく、面白く楽しめるのではないかと思います。
そのためにはやはり、
【子供が父親をへこます噺なんだな~】とか
【奥さんが旦那さんの悪口を言う噺なんだな~】といった
瞬時にお客さんが飲み込めるように
笑いの構図を単純化するという事が重要かと思いますね。


他にも細かい事は色々ありますが、
20年間、創作落語を作ってきて、
この三つが、割と気をつけなければと思っている事ですね。


これからも、
少しでも面白い作品が書けるように
日々、精進していかなければならないと
20年目にして思う私です。


微笑亭さん太

祝(?)創作落語20周年!【前編】

月日の経つのは早いもので、
初めて創作落語を作ってから、
今年で20年になる事に最近気づきました。


今まで自分で高座にかけたネタは72本ですが、
それ以外、アマプロ問わず他の方に提供したもの、
書いただけで世に出ていない未発表作を加えると
確実に100本は超えていると思います。
でも、文枝師匠を始めとする創作派の師匠方に比べたら
全然少ないですよね。


落研時代から古典落語一筋(笑)だった私が
なぜ創作落語を作るようになったかと言えば
一言で言えば【マクラとのギャップに苦しんだから】
という事になるでしょうね。


学生時代から小朝師匠を崇拝していた私は
小朝師匠がやられているような、オシャレで面白いマクラのネタに
とても憧れを抱いていました。


ですから小朝師匠のマクラを
そのまま高座で使わせていただいていたのですが、
徐々に自分でも作るようになっていきました。


最初は、あまりうまくいかなかったものの
だんだんと笑っていただけるようになり
ネタを作るのがとても楽しくなってきました。


ところが本題に入って普通に古典落語をやると
それまでウケていても微妙な感じになり
終わった後は【今イチ感】が漂うような高座もあったのです。


諸先輩方からは
『マクラだけで下りてこればよかったのに(笑)』みたく
言われる事も、しばしばあり、
真剣に悩んだ事が何度もありました。


そこで、思ったのです。
『自分のマクラに対抗するためには、自分で本ネタを作るしかない』と。


当初は『古典落語を作りたい』などという
目標を掲げていた事もあって、
擬古典の物ばかりを作っていたのですが、
次第に現代物も書くようになりました。
2004年に【六人の会】の台本コンクールで
最優秀賞をいただいてからは、
プロの方にも作品を提供し始めた事もあり、
作るペースも上がっていきました。


とは言うものの、
自分が板にかけた72本のうち、
頻繁にかけている物といえば、精々25、6本しかありません。
ほとんどが、かけ捨て状態となっている物ばかりです。
これは大反省しなければいけませんね。


振り返ってみると、最初の作品から20作くらいは
実に【攻めている作品】が多いな~という印象があります。
その頃はもちろん、自分がやるために
自分のためだけに書いてましたから、
自分の趣味が色濃く反映されている傾向があります。


『城金屋繁盛記』『中魔界八景』『辻駕籠問答』『秘薬の効き目』
『続・たらちね』『調べの極意』『江戸悪魔奇談』
『哀縁喜縁』『正夢屋』『笑いの殿様』『江戸っ子権助』等々・・・
タイトルを羅列したところで、
もちろん誰にも判りませんが(笑)
当時は苦労して書いた作品群です。
今でもよくかける『こうもり』は第3作、
『お伽村』は第4作でした。


これらの作品を演じている
過去の自分の高座の録音を聞くと、
本当に怖いもの無しで攻めてるんですよね(苦笑)
今では、とてもこういうネタは書けないという作品ばかりです。
そういう意味では、自分の作風もマイナーチェンジくらいは
してるのかな~とは思いますね。
今はちょっと、【置きにいってる作品】が多いので
この頃の【攻めの気持ち】を少しは思い出すべかなと
20年経った今、思っている次第です。


明日は、
【創作落語を作る時に気をつけている事】について
書いてみたいと思います。


微笑亭さん太

策伝大賞の栄冠は誰に?

昨日は長良川国際会議場に行ってきました。
学生落語のチャンピオンを決める
【第14回 策伝大賞】の審査員をしてきました。


一昨年、初めて審査員をやらせていただいたんですが
それから3年連続のオファーをいただき、
桂文華師、桂三金師、橘家蔵之助師、三遊亭遊吉師といった
プロの師匠方に混じって、
予選の審査員をやらせていただきました。


学生諸君は、
【信長】【道三】【濃姫】【お市】という
4つの会場に60人くらいずつに分けられ
私は文華師匠とご一緒に、【濃姫会場】の審査員でした。


持ち時間6分という過酷な状況にもかかわらず、
落研の子たちは実にうまく噺を刈り込んで
スマートにまとめてきていました。
私自身、とても勉強になりましたね。


出場者の名前一覧を見ると、【銀杏亭】やら【千里家】【立の家】といった
よく拝見する亭号がズラ~ッと並んでいました。


14回を数えるこの大会ですが、
仕切っているのが、敏腕女性プロデューサーでして、
彼女は私と同じ愛大落研。
しかも【微笑亭じゅりあ】という
私の直接の弟子だったりしたのです。
彼女にも、大変お世話になりました。


60席近く落語を聞くのは疲れましたが、
本当に楽しかったし、面白かったですね。


そして決勝進出者を決める選考には、
桂文枝師匠が加わられました。
文枝師とご一緒に審査をさせていただく形になりましたので、
色んな意味で緊張感が溢れてました。


決勝進出した8名の諸君は、
今日は、力いっぱい頑張ってください!


微笑亭さん太

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ、よろしくお願い致します。


今年は酉年という事ですが、
寄席の主役と言えば【トリ】、
しかし私は、トリというポジションは
ぶっちゃけ、あまり好きではありません。


お客さんはトリの演者を聞きに来るところがありますし、
噺家にとって名誉な事ではありますが、
その分『ちゃんと落語をやらなきゃ』という
プレッシャーもあります。


自分のやりたい事を自由にやりたいという
ワガママな私にとっては、
そういう制約は負担になりますから
トリは今いち苦手なのです。


『俺もトリは苦手だけど、仲トリは好きだよ』
という方は結構いらっしゃいますが、
私は仲トリもあまり好きではないんですね。


演者の数が少ない場合はいいんですが、
沢山いる場合は、仲トリに来るまでに
お客さんが4、5席聞いていて、
疲れてらっしゃる事が多々あります。
その状態で大ネタをかましたりすると
ますますお客さんを疲れさせる気がしてしまって・・・
まあ、私のワガママな言い分ですけどね(笑)


やはり私の一番好きなポジションは
仲入り直後の出番、【食いつき】ですね。


仲入りで、お客さんの頭の中もリフレッシュしてますし、
ネタの制約もあまりないポジションですから、
食いつきで出させていただくのが一番嬉しいです。


今年も様々な寄席、
落語会に出させていただく事になると思いますが、
その際は、差し支えなければ、
食いつきのポジションをいただければと思います(笑)

今年も、よろしくお願い致します。


微笑亭さん太
微笑亭さん太 プロフィール

微笑亭 さん太

Author:微笑亭 さん太
愛知県豊田市在住
豊橋落語天狗連所属

公演依頼される方は、
090-8133-6921
にお電話下さるか、
hohoemiteisanta@yahoo.co.jp
あるいは、
hohoemitei-santa@hotmail.co.jp
までメール下さい。

アマチュア落語家として高座に上がる一方、創作落語を執筆し、自ら演じたり、プロの師匠方にも提供しています。寄席、イベント等に呼んでいただければ、喜んで駆けつけますので、よろしくお願い致します。

『悪質商法撃退落語』『振り込め詐欺防止落語』『認知症落語』『納税推奨落語』『男女共同参画落語』などの、特定のテーマの落語口演も致します!

また、イベントの司会、台本や原稿等の執筆依頼も受け付けておりますので、お気軽に御連絡下さい。


●エフエムとよた
【ラブィート演芸 楽市・落語】パーソナリティ
日曜日午後6時~6時半(隔週担当)放送中!


《受賞歴》
平成16年 『六人の会』主催 
第1回全国落語台本コンクール
最優秀賞

平成20年 落語協会主催
落語台本コンクール
佳作

平成21年 国立演芸場主催
漫才・コント台本コンクール
最優秀賞

平成21年 池田市主催
社会人落語日本一決定戦
3位入賞

平成22年 池田市主催
社会人落語日本一決定戦
奨励賞受賞

平成24年 落語協会主催
落語台本コンクール
優秀賞

平成24年 上方落語協会主催
落語台本コンクール
佳作

平成25年 池田市主催
社会人落語日本一決定戦
藤本義一賞受賞

平成25年 上方落語協会主催
落語台本コンクール
佳作(2期連続)

平成27年 落語協会主催
落語台本コンクール
最優秀賞

平成28年 落語協会主催
落語台本コンクール
優秀賞(2期連続)









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